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タフに行こうぜ。NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)「GO」

H210516_go  NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)の11枚目となるニュー・アルバム「GO」(2009年3月)。

 数十年、日本音楽界を見聴き続けていて感じるのは、「継続は力なり」、ブレずに休まずに続けて行くことの大切さ。

 特に、バンドでブレずに休まずに続けて行くことは大変で、その点で、ザ・コレクターズ(THE COLLECTORS)やカーネーション(CARNATION)はたいしたものだと思う今日この頃。

 彼らの世代とは、ちょうど一回り違いますが、NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)は、「休まずに続く」バンドの良き後継者。

 ザ・コレクターズ(THE COLLECTORS)「Tough」(1997年)ではないですが、「タフに行こうぜ」 と思わず応援したくなります。

 1995年に結成されたノーナ・リーヴス(NONA REEVES)は、西寺郷太(Vo)、奥田健介(G)、小松シゲル(D)の三人組で、意外に希少ないわゆる「ブラコン」的な日本語ソウル・ミュージックを得意とするグループ。

 なお、ノーナ・リーヴス(NONA REEVES)というバンド名は、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の娘ノーナ・ゲイ(NONA Gaye)の「ノーナ(NONA)」と、マーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha And The Vandellas)のヴォーカル、マーサ・リーヴスのリーヴス(REEVES)を組み合わせた造語。

 三人は、音楽サークル、早大トラベリング・ライト出身で、シンバルズ(Cymbals)の矢野博康の後輩。

 シンバルズ(Cymbals)の残り二人、沖井礼二、土岐麻子も、隣の音楽サークル、我が早大MTT出身で、両者は兄弟バンドのような密接な関係だったこともあり、昨年、シンバルズ(Cymbals)を聴きまくると同時に、遅ればせながら、全アルバムを聴かせていただきました。

 比較的似た音楽性のバンドに私の好きなGREAT3(グレイト・スリー)がありますが、大きな違いは、GREAT3(グレイト・スリー)よりもさらに世代が下のせいか、1980年前後に世を席巻したパンク・ニューウェーヴ色、パンチ力というかエッジの鋭さのようなものが、ノーナ・リーヴス(NONA REEVES)にはまったく感じられないという点。

 したがって、シンバルズ(Cymbals)と同様に、あっさりとした味わいが持ち味。

H210516_greatest_hits_vol1_4  そのせいもあるせいか、オリジナル・アルバムで、最高傑作と呼べる突出した作品はない印象。

 良い意味でいえば全ての作品がていねいに作られクォリティーが高いとも言えるし、悪く言えばマジックを起こす爆発力に欠けるとも言えます。

 したがって、最初のメジャー・レーベル、ワーナー時代のベスト・アルバム、「GREATEST HITS / BOOK ONE 」(2001年)、もしくは、カフェ・アプレミディ、フリー・ソウル、サバービアなどで有名な、橋本徹の選曲によるベスト盤、「free soul-free soul of NONA REEVES-」(2006年)が最も楽しめるアルバムかもしれません。

H210516_free_soulfree_soul_of_non_2 なお、奥田健介(G)は、シンバルズ(Cymbals)、m-flo、野宮真貴、土岐麻子、みうらじゅんバンドなどの、小松シゲル(D)は、キリンジ、佐野元春、BONNIE PINKなどの、セッション・ミュージシャンとしても活躍中で、ライヴの演奏能力も定評があります。

 You Tube上の2枚目「ディスティニー(Destiny)」(2000年)収録、上記2枚のベスト・アルバムにも収録の、「Love Together」のYOU THE ROCKが参加したライヴ映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=lY9VZVek-Ow

 YOU THE ROCKや、ライムスター(RHYMESTER)宇多丸等のラッパーとのコラボ曲は、特に西寺郷太のパフォーマーとしての能力の高さが引き立ちます。

H210516_go_2  ニュー・アルバム「GO」(2009年3月)は、HALCALI with NONA REEVES「すきすきソング」(「赤塚不二夫トリビュート~四十一才の春だから~」収録)」でもタッグを組んでいた、先輩矢野博康のプロデュース。

 テーマは、改めて、ノーナ・リーヴス(NONA REEVES)の一貫した拠り所でもある1980年代サウンド。

 1980年代というと、私の感覚だと初期のパンク・ニューウェーヴ、ダブ、テクノ・ポップあたりを思い浮かべるところですが、「GO」の追求する1980年代サウンドは、中後期のプリンス(Prince)、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)といった、デジタル・リバーブ、シンセサイザー等のテクノロジーの発達を享受したMTVポップス的世界。

 以前に当ブログでご紹介した、宮川弾(Dan Miyagawa)「ニューロマンサー(Newromancer)」(2009年1月)の追求する1980年代サウンドに近い印象。

 You Tube上の、「Hey Everybody!」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=CvNypW0PU08

 西寺郷太の敬愛するマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のそっくりさん(「MJスピリット」という人らしい)には笑えます。

 MUSICSHELFのインタビューによると、プリンス(Prince)の毎年毎年続けるタフな精神が好きだという西寺郷太ですが、自身のブログによると、もう一人忘れていた音楽界のタフ・マン、クレイジーケンバンド(CRAZY KEN BAND)の横山剣から「GO」について「最高」というエールが送られたとのこと。

 これからも、タフに行きましょう。

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