細野晴臣&アン・サリー(Ann Sally)の美しい音楽を聴きながら考える「金融」と「資本主義」No.2。NHKスペシャル シリーズ マネー資本主義第2回「“超金余り”はなぜ起きたのか?~カリスマ指導者たちの誤算~」
100年に一度とも言われる金融危機を生んだ、マネー資本主義は、どのように発生し、成長したのか、その誤謬の実態を解明し、未来に向けた教訓は何かを探っていくという、NHKスペシャル「シリーズ マネー資本主義」。
第2回「“超金余り”はなぜ起きたのか?~カリスマ指導者たちの誤算~」も、第1回に引き続き興味深く拝見させていただきました。
■「超・金余り」の原因
番組は、今回の金融危機をもたらした、膨大なマネーが世界に溢れ、無謀な投資を可能にした「超・金余り」の原因として、アメリカの政策を追います。
具体的には、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)出身のロバート・ルービン(Robert Rubin)元財務長官のドル高政策、アラン・グリーンスパン(Alan Greenspan)前FRB議長の低金利政策。
それまでは世界から称賛された、2人のカリスマ的指導者による政策が、なぜこのような結果を招いてしまったのかを検証します。
■この番組を見て感じたこと
番組は、アメリカの政策に原因があったとしても、責任はそれだけでなく、世界中の、「もっと良い暮らしを」、「もっと良い老後を」といった「もっと、もっと」という欲望がアメリカにマネーを集中させ、今回の金融危機をもたらしたのであり、今後膨張するマネーをどうコントロールするかが問題だという論調で番組を結びます。
私が感じるのは、世界のグローバル化によるリスクの増幅のおそろしさ。
世界分散投資の投資信託等も、今回の金融危機ではリスク軽減効果があまりなく、「同じかごに卵を入れない」と思っていたら、「同じかごに入れたつもりはなかったのにいつのまにか同じかごの中だった」という現象が生じたかの印象。
最近の豚インフルエンザの世界的蔓延もそうですが、「世界はひとつ」というのが理想かと思っていましたが、リスク管理の側面からは「世界は必ずしもひとつでない方が良い」という考え方も重要なような気がいたします。
ところで、第2回では、大金を拾った主婦が巻き起こす事件のドラマが盛り込まれており、なんでこんなものを入れたのかと思って見ていましたが、なかなか面白いオチがあり納得。
再放送等、これからご覧になる方も多いかと思いますのでここでは触れませんが。
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