平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.7。不動産譲渡契約書及び工事請負契約書の印紙税の特例の延長(個人、法人)
前回に引き続き、平成21年(2009年)税制改正によりどこがどう変わったのか概要を確認して行く「平成21年(2009年)税制改正でこうなる」シリーズの第7回。
今回は、不動産譲渡契約書及び工事請負契約書の印紙税の特例の延長(個人、法人)についてです。
■従来の不動産譲渡契約書及び工事請負契約書の印紙税の特例
平成21年3月31日を適用期限に、以下のように印紙税の軽減措置が設けられていました。
不動産売買契約書 | 工事請負契約書 | |||
記載金額 | 本則 | 軽減措置 | 本則 | 軽減措置 |
~H21.3.31 | ~H21.3.31 | |||
1万円未満のもの | 非課税 | 非課税 | ||
10万円以下のもの | 200円 | 200円 | ||
50万円以下のもの | 400円 | 400円 | ||
100万円以下のもの | 1,000円 | 1,000円 | ||
200万円以下のもの | 400円 | |||
300万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 | ||
500万円以下のもの | 2,000円 | |||
1,000万円以下のもの | 10,000円 | 10,000円 | ||
5,000万円以下のもの | 20,000円 | 15,000円 | 20,000円 | 15,000円 |
1億円以下のもの | 60,000円 | 45,000円 | 60,000円 | 45,000円 |
5億円以下のもの | 100,000円 | 80,000円 | 100,000円 | 80,000円 |
10億円以下のもの | 200,000円 | 180,000円 | 200,000円 | 180,000円 |
50億円以下のもの | 400,000円 | 360,000円 | 400,000円 | 360,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 | 540,000円 | 600,000円 | 540,000円 |
記載金額のないもの | 200円 | 200円 |
■改正点
土地需要の喚起、経済の活性化という趣旨から、以下のように印紙税の軽減措置が平成23年3月31日までに2年間延長されました。
不動産売買契約書 | 工事請負契約書 | |||
記載金額 | 本則 | 軽減措置 | 本則 | 軽減措置 |
~H23.3.31 | ~H23.3.31 | |||
1万円未満のもの | 非課税 | 非課税 | ||
10万円以下のもの | 200円 | 200円 | ||
50万円以下のもの | 400円 | 400円 | ||
100万円以下のもの | 1,000円 | 1,000円 | ||
200万円以下のもの | 400円 | |||
300万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 | ||
500万円以下のもの | 2,000円 | |||
1,000万円以下のもの | 10,000円 | 10,000円 | ||
5,000万円以下のもの | 20,000円 | 15,000円 | 20,000円 | 15,000円 |
1億円以下のもの | 60,000円 | 45,000円 | 60,000円 | 45,000円 |
5億円以下のもの | 100,000円 | 80,000円 | 100,000円 | 80,000円 |
10億円以下のもの | 200,000円 | 180,000円 | 200,000円 | 180,000円 |
50億円以下のもの | 400,000円 | 360,000円 | 400,000円 | 360,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 | 540,000円 | 600,000円 | 540,000円 |
記載金額のないもの | 200円 | 200円 |
■上記から感じること
不動産の売買、建築工事の契約を検討している個人・法人、不動産業、建設業の個人・法人にとっては、期待通りの改正といえます。
ただし、不動産業、建設業は別として、不動産の買い手、工事の発注者としては、資産の取得コストの軽減の効果は取得時の一時的なものであり、負債の増加、取得資産の価格下落のリスクを含め、資産の取得の効果を冷静に十分に検討する必要があるかと思われます。
日本国民としては、経済全体が活性化してくれるのは、大変ありがたいことですが。
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