減価償却資産の「取得費」にフォーカスしたユニークな専門書の改訂版。河手博(著), 成松洋一(著)「減価償却資産の取得費・修繕費」
■固定資産の税務・会計の難しさ
固定資産の税務・会計がなぜ難しいかというと、金額が多額な取引が多いこと、所有管理を通じて原価償却等により長期にわたって影響を及ぼすことが多いこと、近年の税制改正により一部簡素化されたものの耐用年数に関する規定が複雑かつ曖昧であること、資本的支出と修繕費はその効果が不明確でありそもそも区別がつきにくいこと、が挙げられます。
そんな、難解な固定資産の税務・会計について、理路整然、過不足なく簡潔にまとめた、総論的な傑作参考書としてお勧めしたいのが、太田達也(著)「『固定資産の税務・会計』完全解説」(2007年8月)。
固定資産の税務・会計について、調べるには、まずは、「『固定資産の税務・会計』完全解説」を手に取るのが効率的でしょう。
■「減価償却資産の取得費・修繕費 改訂第五版」
そして、取得判断に迷うような場合の質疑応答集として利用したいのが、「減価償却資産の取得費・修繕費 改訂第五版」。
合計190、取得費だけで104の質疑応答は実に頼もしい。
よくありがちな誤り、土地建物取得に際して負担した固定資産税相当額の日割精算金を租税公課処理し取得価額に算入し忘れた、借地権取得の仲介手数料を支払手数料処理し取得価額に算入し忘れた、資産を買い替える際に旧資産の取り壊し費用を特別な理由がないのに取得価額に算入してしまった、にはくれぐれもお気を付けを。
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