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税務会計面からの民事再生法と「DIP型」会社更生法の比較No.1。事業年度

 今年に入って、株式会社クリードに始まり、申請が相次ぐ、新たな事業再生のトレンド、「DIP型」会社更生法。

 事業再生スキームにおいて、債務免除益課税やそれを回避するための資産の評価損の計上等を通じて大きな影響があるのが税務会計の問題で、スキームの選択においても検討が必須。

 そこで、同じく「DIP型」の事業再生手法である民事再生法と「DIP型」を含む会社更生法の比較を、税務会計面から確認して行きたいと思いますが、まずは事業年度についてです。

■民事再生法

 民事再生手続の場合、民事再生法上も、税法上も特別な規定はなく、従来通り、定款記載の事業年度に決算・申告を行うことになります。

・民事再生の具体例

 定款記載の事業年度が1月1日から12月31日の会社が、3月23日に民事再生法の申立をし、手続開始決定日が3月30日、再生計画案の認可決定日確定日が9月30日の場合。

・民事再生手続開始後の事業年度

 1月1日から12月31日のままとなります。

 税務上、債務免除益の計上は原則として認可決定確定時、資産の評価損の計上は開始決定時又は認可決定確定時の選択になりますが、タックスプランニングとの関係により、再生手続中に事業年度を変更する例も実務では見かけます。

・民事再生法上の財産評定の基準日

 開始決定時であり、特定の時刻で会計上締め切るのは困難であるため、実務上は開始決定日である3月30日です。申立日である3月23日ではなく、実務上は開始決定日前日の3月29日という取り扱いもしません。

 民事再生法上の財産評定の目的は、開始時の再生会社の財政状態を明らかにすること及び再生計画による弁済率がそれを上回るように開始決定時に破産した場合の清算価値を算出することにありますので、税務会計上の事業年度とは直接的な関係はありません。

 経理事務の軽減から、財産評定の基準日を月末日とするため、開始決定日自体をそれに合わせ3月31日とするような例も実務では見かけます。

■「DIP型」を含む会社更生法

 会社更生手続の場合、会社更生法上で事業年度変更の規定があり、開始決定時にそれまでの事業年度が終了し、その翌日から更生計画認可時(その時までに更生手続が終了したときはその終了の日)までが翌事業年度となり、それ以降は定款記載の事業年度に戻ります。

 特定の時刻で会計上締め切るのは困難であるため、実務上は開始決定時=開始決定日、更生計画認可時=更生計画認可決定日となります。

 税法上は、みなし事業年度の規定があり、1年を超える事業年度を認めていないため、更生手続開始から更生計画認可時までが1年を超える場合には、開始決定日の翌日から1年間をみなし事業年度として区切ることになります。

・会社更生の具体例

 定款記載の事業年度が1月1日から12月31日の会社が、3月23日に「DIP型」の会社更生法の申立をし、手続開始決定日が3月30日、更生計画の認可決定日が9月30日の場合。

・更生手続開始後の事業年度

 3月31日から9月30日までの事業年度、事業年度変更をしないならば10月1日から12月31日までの事業年度、それ以降は定款記載の事業年度である1月1日から12月31日を繰り返すことになります。

 実務上は、更生計画の任意的記載事項に定款の変更もあるため、更生計画により事業年度を変更する例も見かけます。

・会社更生法上の財産評定の基準日

 開始決定時であり、特定の時刻で会計上締め切るのは困難であるため、実務上は開始決定日である3月30日です。申立日である3月23日ではなく、実務上は開始決定日前日の3月29日という取り扱いもしません。

 会社更生法上の財産評定の目的には、開始時の更生会社の財政状態を明らかにすることとともに、認可決定時の貸借対照表作成時に開始決定時に時価で評定した財産には時価を取得価額とみなす「みなし取得価額」の規定があるため更生会社の会計に具体的基礎を付与すること、更生担保権者と一般更生債権者等の利害関係人の権利範囲を明確化させることが挙げられます。

 したがって、開始決定日は、決算日であるとともに財産評定の基準日であることから、会計上も資産の評価換えを行うことになりますが、実務上は、一般に税務申告の期限よりも財産評定書の提出期限の方が後日になるため、財産評価引当金などを使用して評価損を見積計上し、税務上は申告調整し、認可決定時の決算で会計上も税務上も確定させる例を見かけます(東京地裁が示す「DIP型」のスケジュール案は税務申告の期限と財産評定書の提出期限がほぼ同時期のようですが)。

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