「理屈抜きのカッコ良さ」がすごく新鮮。ジェフ・ベック(Jeff Beck)「ワイアード(Wired)」(M)
ジェフ・ベック(Jeff Beck)が、当時最先端の「クロス・オーバー・ミュージック」、その後に言われるようになった「フュージョン・ミュージック」に大きく舵を切ったのが、「ブロウ・バイ・ブロウ(Blow By Blow)」(1975年)。
当時は、「ギター殺人者の凱旋」という少年心をそそるこけおどし的邦題がつけられていましたが、今は「ブロウ・バイ・ブロウ」というおもしろくもなんともない邦題になってしまったんですね。
「ブロウ・バイ・ブロウ(Blow By Blow)」は、当時インスト・アルバムとしては異例の全米4位の大ヒット。
元祖ロボ声、トーキング・モジュレーター(Talking modulator)を使用したビートルズ(Beatles)のカバー「シーズ・ア・ウーマン(She’s A Woman)」、超絶技巧曲「スキャッターブレイン(Scatterbrain)」、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)作の「哀しみの恋人達(Cause We've Ended As Lovers)」など、緩急織り交ぜた名曲揃い。
You Tube上のジェフ・ベック(Jeff Beck)&エリック・クラプトン(Eric Clapton)の1980年代頃のものらしい「哀しみの恋人達(Cause We've Ended As Lovers)」のライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=ATu5ZVUO0KI
しかし、何といっても、弾きまくりキー・ボード奏者、ヤン・ハマー(Jan Hammer)とのコラボレーションも加わり、ハイ・テンションな「ワイアード(Wired)」(1976年)の「理屈抜きのカッコ良さ」は、本当に今聴いても新鮮。
1曲目「レッド・ブーツ(Led Boots)」の鳥肌ものカッコよさは、昔と同じ。
残念ながら、You Tube上でも当時の映像がなかなか見つかりませんが、若干後年の1980年頃のものと思われる「蒼き風(Blue Wind)」での、ジェフ・ベック(Jeff Beck)とヤン・ハマー(Jan Hammer)の掛け合いが楽しめるライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=eW73VIz7ctU
その後発売された「ライヴ・ワイアー(Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live)」(1977年)でも、ヤン・ハマー(Jan Hammer)とコラボレーション。
でも、当時もそう感じましたが、「ワイアード(Wired)」ほどの「理屈抜きのカッコ良さ」が感じられず、「ゆるい」印象なのが残念。
実は、ヤン・ハマー(Jan Hammer)の影に隠れがちな、ナラダ・マイケル・ウォルデン(Narada Michael Walden)のドラム、ウィルバー・バスコム(Wilbur Bascomb)のベース、マックス・ミドルトン(Max Middleton)のクラビネットの織りなす歯切れの良いリズムが、「ワイアード(Wired)」の「理屈抜きのカッコ良さ」の決め手なのかもしれません。
音楽飽食の時代の今だからこそ、「理屈抜き」のジェフ・ベック(Jeff Beck)、新鮮です。
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