会計事務所の風物詩、いよいよ今年も所得税確定申告のシーズンが到来No.3。柳原直人編 「所得税 必要経費の税務〈平成19年版〉」
■前年と同様に平成19年度版が最新版
残念ながら、本年度(平成20年度版)は刊行されていないため、前年と同様に平成19年度版が最新版。
したがって、平成20年度税制改正が反映されていませんが、以前に当ブログでもご紹介した減価償却資産の耐用年数の変更も、所得税法については平成21年度より、機械及び装置を中心に使用実態を踏まえて資産区分等が見直された改正法定耐用年数されるため、大きな問題はなさそうで、束の間の改訂作業の休息といったところでしょうか。
■「ポイント」に注目
「所得税 必要経費の税務」ですが、各章に設けられた、実務上誤りやすい点を「ポイント」として注意喚起しているのがうれしい配慮。
・事業を廃止した年の所得に対して課税される事業税の廃止年度での必要経費算入容認
・家族が所有している建物でも固定資産税や減価償却費が必要経費算入可
・スクラップ化していた資産の譲渡損失の必要経費算入
といった、プロでも誤りやすい「落とし穴」を注意喚起。
■「フローチャート」が便利
また、各種「フローチャート」が充実しているのも便利。
・「資本的支出と修繕費フローチャート」
・「少額減価償却資産等フローチャート」
・「資産を賃借するための権利金等の償却期間フローチャート」
・「貸倒損失の取扱いフローチャート」
・「青色申告特別控除フローチャート」
・「青色申告の申請フローチャート」
など。
■法人税との違いに注意
所得税の必要経費は、減価償却が強制償却であること、貸倒損失や資産損失の必要経費の範囲に制限があることなど、法人税と相違する点が多いことには、プロでも誤りやすく、くれぐれも注意が必要です。
「所得税 必要経費の税務〈平成19年版〉」、3月16日(月)まで手放せなくなりそうです。
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