2009年のトレンド、DIP型会社更生法。「DIP型会社更生法-今年に入り申請企業が相次ぐ」(「日刊 帝国ニュース」2009年2月24日号より)
「日刊 帝国ニュース」2009年2月24日号の「DIP型会社更生法-今年に入り申請企業が相次ぐ」によると、当ブログでもご紹介のDIP型会社更生法の申請が、今年に入り、株式会社クリードの第1号を皮切りに、第2号の日本綜合地所株式会社、第3号のSpansion Japan株式会社、第4号のあおみ建設株式会社と相次いでいるとのこと。
「日刊 帝国ニュース」が「2009年のトレンドの様相」とまで評する、DIP型会社更生法、事業再生の新たな有力な選択肢として検討したいものです。
■これまでのDIP型会社更生法の申請
1.株式会社クリード
申立:2009年1月9日 監督委員兼調査委員:瀬戸英雄弁護士 負債総額:単体負債約650億円
2.日本綜合地所株式会社
申立:2009年2月5日 監督委員兼調査委員:多比羅誠弁護士 負債総額:グループ3社合計で約2,142億円
3.Spansion Japan株式会社(フラッシュメモリー製造)
申立:2009年2月10日 監督委員兼調査委員:渡邉光誠弁護士 負債総額:約741億円
4.あおみ建設株式会社
申立:2009年2月19日 監督委員兼調査委員:渡邊顯弁護士 負債総額:グループ3社合計で約407億円
■上記から感じること
旧経営陣と申立代理人弁護士が手続を主導できる「DIP型」のメリット、担保権や租税等の請求権を手続に服させることができるという「会社更生法」のメリット、をいいところ取りできる、DIP型会社更生法は、一般に「厳格」とされる裁判所の対応というデメリットがあっても大変魅力的です。
なお、税務上は、平成17年税制改正により、同じDIP型の民事再生法でも、会社更生手続と基本的には同様に債務免除益等の範囲で期限切れ欠損金を青色欠損金等に優先して控除できる規定が設けられましたので、DIP型会社更生法の特別なメリットはかなり稀なケースを除いてないと思います。
ただし、租税等の請求権を手続に服させることができるという、税務関連の大きなメリットがありますが。
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