観光地の楽団のように気楽で楽しいライヴながら、プロフェッショナルな芸人魂に脱帽。セイラー(Sailor)「ライヴ・イン・ベルリン(Live In Berlin)」(M)
以前の傑作2ndアルバム「トラブル(Trouble)」(1975年)の記事で、「一枚屋」と失礼なことを申し上げたセイラー(Sailor)。
ドイツのプロモーターの働きかけで1990年にオリジナル・メンバーで再結成し、以後、ドイツとオランダでのライヴを中心に活動。
雑誌「ストレンジデイズ 2007年 11月号」掲載のインタビューで本人が語っているとおりライヴが嫌いなジョージ(ゲオルグ)・カヤナス(Georg Kajanus)は1995年に脱退してしまったものの、ピーター・リンカーン(Peter Lincoln)をリード・ヴォーカルに迎えるなど、以後もコンスタントにライヴ活動を継続。
セイラー(Sailor)「ライヴ・イン・ベルリン(Live In Berlin)」(オリジナル1998年。復刻盤2002年)は、1995年のベルリンを含んだヨーロッパ各地の公演を編集したもの。
普通なら「懐メロバンドになり下がって」と言いたくなりますが、意外にプロフェッショナルな芸人魂を見せるセイラー(Sailor)、これはなかなかの傑作なのです。
前述の雑誌「ストレンジデイズ 2007年 11月号」には、フィル・ピケット(Phill Pickett)のインタビューも掲載。
再結成後のセイラー(Sailor)について、「今が最高だね。」「今のセイラーは、70年代のグラム・ロック・ヒット・グループからさらに進化を遂げて、国際的に通用するシアトリカルなパフォーマンス・アクトになっているんだ。それは、どんな空間でも、自分たちのものにすることができる。」とプロフェッショナルな芸人魂に自信満々。
ちなみに、「ストレンジデイズ 2007年 11月号」には、前回ご紹介した「無国籍サウンドの宝石箱~アンソロジー1975-2005(Treasure Trove-Anthology 1975-2005)」(2007年)の収録曲について鈴木祐氏の詳しい解説も掲載されており、CDの日本盤ライナー・ノーツは曲目解説の日本語訳が省かれていることもあり、セイラー(Sailor)ファンには便利。
話を戻しますが、再結成後のセイラー(Sailor)の芸人魂は、「ライヴ・イン・ベルリン(Live In Berlin)」の曲目を見てもわかります。
ベスト的なオリジナルに加え、「ラ・バンバ(La Bamba)」~「ボラーレ(Volare)」~「バナナ・ボート・ソング(Banana Boat Song)」とつなぐ「ラ・バンバ・メドレー(La Bamba Medley)」とか、「ポップ・ミュージック/ゴースト・バスターズ・メドレー(Pop Music/Ghostbusters Medley)」とか、一見さん大歓迎のサービス満点の曲目。
ところが、歌も演奏も本当に上手で、セイラー(Sailor)の芸人魂には脱帽。
現在も、ヴォーカルがさらにヘンリー・マーシュ(Henry Marsh)の息子のオリヴァー・マーシュ(Oliver Marsh)に交替したものの、元気にライヴ活動をしている模様。
You Tube上の、TV番組でドイツ人を喜ばす2008年の映像。
http://jp.youtube.com/watch?v=dscn57i2eVg
改良を続けている、最新型のニッケルオデオン(Nickelodeon)がまたすごい。
セイラー(Sailor)、こういうバンドのあり方も、またカッコ良いですね。
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