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「黒字倒産」と「欠損金の繰戻し還付」による税金の取り戻し。「2008年上場企業倒産は34件、戦後最悪 「黒字倒産」が19件、過半数を占める」(2009年1月14日付「日刊帝国ニュース」より)

 2009年1月14日付「日刊帝国ニュース」よると、2008年上場企業倒産は34件で、これまで最多であった2002年の29件を上回り、6年ぶりに戦後最悪を更新したとのこと。

 倒産前の直近本決算における当期純損益(単体)の状況をみると、黒字が19件(構成比55.9%)に対し、赤字が15件(構成比44.1%)となり、「黒字倒産」が過半数を占めていたそうで、これは驚くべき事実。

 株式会社アーバン・コーポレイションの310億9,200万円(2008年3月期)、株式会社モリモトの102億4,300万円(2008年3月期)、株式会社スルガコーポレーションの78億7,500万円(2008年3月期)、株式会社ノエルの16億2,600万円(2007年8月期)、ランドコム株式会社の15億9,100万円(2007年12月期)と、上位5社はマンション分譲を手がける不動産会社が占めており、同業界の事業環境の急変ぶりに、改めて特にリーマン・ショック後の世界金融危機の凄まじさを痛感。

 「黒字倒産」で忘れてはならないのが、「欠損金の繰戻し還付」による税金の取り戻しです。

■欠損金の繰戻し還付

 青色申告をしている会社が、税務上の欠損金を出した場合、翌期以降に繰り越して翌期以降7年間の所得から繰越控除することができ、これを欠損金の繰越控除といいます。

 青色申告をしている会社が、税務上の欠損金を出した場合に、翌期以降に繰り越さないで、前年度の所得と通算して、前年度の税金を返してもらうことを、欠損金の繰戻し還付といいます(ただし、法人税のみに認められており、住民税及び事業税には認められていません)。

 欠損金の繰り戻し還付は、原則として、平成22年3月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金については、適用が停止されています。

■例外として欠損金の繰り戻し還付の適用が可能な場合

・資本金が1億円以下等の一定の条件を満たす中小企業者の設立事業年度から5年間の各事業年度

・解散(適格合併による解散を除きますが、破産手続開始決定による解散は含まれます)、事業の全部譲渡、会社更生法・民事再生手続開始等の事実があった内国法人の当該事実が生じた日前1年以内に終了したいずれかの事業年度又は同日の属する事業年度

には、適用停止措置の例外として欠損金の繰り戻し還付の適用が可能です。

 また、平成20年12月12日付の自由民主党平成21年度税制改正大綱(2009年度与党税制改正大綱)によれば、資本金が1億円以下等の一定の条件を満たす中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、欠損金の繰り戻し還付の適用が可能となる予定です。

■上記から感じることNo.1:上場会社でも可能な欠損金の繰り戻し還付

 上場会社においても、会社更正、民事再生、破産等の各倒産手続の開始決定があった場合は、欠損金の繰り戻し還付の適用が可能です。

■上記から感じることNo.2:倒産手続開始決定時の欠損金の繰り戻し還付の留意点

 その他の場合の欠損金の繰り戻し還付と異なり、当該事実が生じた日前1年以内に終了したいずれかの事業年度又は同日の属する事業年度において生じた欠損金額については、欠損金の繰り戻し還付の適用が可能な点に留意する必要があります。

 例えば、会社更生手続が開始決定となると開始決定日を終了の日とする事業年度、破産の手続が開始決定となると開始決定日を終了の日とする法人税法上のみなし事業年度の法人税の確定申告が必要となりますが、開始決定日を終了の日とする事業年度の欠損金で前事業年度の法人税を取り戻せるだけでなく、前事業年度の欠損金で前々事業年度のの法人税等を取り戻せる場合があるという点です。

 また、民事再生手続が開始決定となると、開始決定日で事業年度は終了せず、法人税法のみなし事業年度の適用もなく、開始決定日の属する通常の事業年度において生じた欠損金で前事業年度の法人税を取り戻せるだけでなく、前事業年度の欠損金で前々事業年度のの法人税等を取り戻せる場合があるという点です。

 これは、うっかりして気が付かない場合があるので、本当に注意が必要です。

■上記から感じることNo.3:民事再生手続でないと欠損金の繰り戻し還付が不能な「黒字倒産」も

 「黒字倒産」の場合、倒産手続開始決定時に資産の評価損が計上できないと欠損金が生ぜず、欠損金の繰り戻し還付が適用できない場合も考えられます。

 会社更生手続による資産の評価損は、法人税法上特別の規定がありますが、開始決定日ではなく更生計画の認可決定日の属する事業年度に損金算入となる点が、平成17年税制改正で明確化されています。

 破産手続による資産の評価損は、そもそも法人税法上特別な規定がありません。

 民事再生手続による資産の評価損は、法人税法上特別の規定があり、損金経理を用件とした開始決定日の属する事業年度で損金算入できる方法と、別表添付を要件とした再生計画の認可決定日の属する事業年度で損金算入できる方法とが選択できます。

 ということは、開始決定日で決算をせず通常の事業年度で決算をすれば良い点と合わせて、民事再生手続でないと欠損金の繰り戻し還付が不能な「黒字倒産」というのも起こりえると思います。

 今まで想定しえなかったようなタックス・プランニングも考えざるを得ない、リーマンショック後の事業環境、我々プロフェッショナルの腕の見せ所です。

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