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事業再生手法に新たな展開!初の「DIP型」会社更生手続。「クリードが会社更生法を申請 単体負債は650億円」(2009年1月9日付TEIKOKU ON LINE NEWS、2009年1月10日付日本経済新聞より)

 不動産ファンド運用の株式会社クリードが、1月9日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請。

 2009年1月9日付TEIKOKU ON LINE NEWSによると、申請代理人は、片山英二弁護士など10名で、監督委員兼調査委員として瀬戸英雄弁護士が選任されました。

 2009年1月10日付日本経済新聞によると、全国初の「DIP型」会社更生手続の適用を目指すとのこと。

 事業再生手法の新たな展開、「DIP型」会社更生手続に要注目です。

■DIPとは?

 DIPとは、Debtor In Possessionの略語で、直訳すると「占有を継続する債務者」ですが、経営破綻後も旧経営陣が継続して会社経営を行うケースを差します。

 「DIP型」の再建型倒産手続の代表が民事再生手続で、原則として、開始決定後も旧経営陣が継続して会社経営を行います。

■平成15年4月1日施行の新会社更生法での「DIP型」の導入

 会社更生手続は、担保権にも拘束力が及ぶ強い効力を有した手続きであるため、開始決定後は旧経営陣は継続して会社経営を行うことなく退陣し、第三者である管財人等が会社経営を行うこととされてきました。

 しかし、更生会社が円滑に事業活動を行い早期に再建するためには、旧経営陣が管財人等として継続して会社経営を行う方が合理的である場合があることから、平成15年4月1日施行の新会社更生法では、役員等査定決定を受けるおそれがあると認められる者は管財人に選任できないとの規定がおかれるとともに、裁判所が監督委員に取締役等の管財人の適性に関する調査をさせることができるものとし、「DIP型」の導入が明確化されました。

■「DIP型」会社更生手続の運用の導入開始のアナウンス

 ところが、新会社更生法の下でも、今までは旧経営陣が残った形で手続きが進められたケースはなく、会社更生手続が民事再生手続と比べ極端に件数が少ない(例えば東京地裁の平成19年受理は8件らしい)原因との見方が出ていたようです。

 そうした中、商事法務発行の「NBL」2008年12月15日号で、会社更生法を扱う東京地方裁判所第8部の難波孝一部総括判事他が、「会社更生事件の最近の実情と今後の新たな展開-債務者会社が会社更生手続を利用しやすくするための方策:DIP型会社更生手続の運用の導入を中心に」という論文を公表し、下記の要件を条件に「DIP型」会社更生手続の運用の導入を開始するというアナウンスがありました。

要件①「現経営陣に不正行為等の違法な経営責任の問題がないこと」

要件②「主要債権者が現経営陣の経営関与に反対していないこと」

要件③「スポンサーとなるべき者がいる場合はその了解があること」

要件④「現経営陣の経営関与によって会社更生手続の適正な遂行が損なわれるような事情が認められないこと」

■株式会社クリード

 そのアナウンスを受けて、株式会社クリードがさっそく「DIP型」会社更生手続の適用を目指したということのようです。

 ちなみに、通常の会社更生手続では、申立時に裁判所から任命されるのは「保全管理人」や「調査委員」であり、「監督委員兼調査委員」が任命されている点が「DIP型」たる特徴のようです。

■上記から感じること

 「DIP型」の民事再生手続は、迅速かつ柔軟な法的倒産手続として大変使いやすく効果も抜群なのですが、担保権や租税等の請求権には手続の効果が原則として及ばないという点で難がありました。

 その点で、担保権や租税等の請求権を、手続に服させることができるとともに旧経営陣と申立代理人弁護士が手続を主導できる「DIP型」会社更生手続は、大変魅力的です。

 ただし、一般に「厳格」とされる会社更生手続ですので、上記論文で明示されている要件の充足を始め、迅速さと柔軟さを売り物とする民事再生手続よりハードルが高い手続きになることは間違いないとは思われます。

 いずれにせよ、これまでの常識が通用しないリーマン・ショック後の世界金融危機下の事業再生、株式会社クリードの「DIP型」会社更生手続の行方から目が離せません。

 

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