意外に難解なメディア、エンターテイメントビジネスの報酬・料金の源泉所得税についての初の実務・手引書。久川秀則税理士「Q&Aメディア、エンターテイメントビジネスの税務―わかりやすい報酬・料金、非居住者等所得の源泉所得税」
メディア、エンターテイメントビジネスの報酬・料金の源泉所得税は、所得税法で限定列挙されている報酬の区分が日々進化している現実の役務提供と合致せず源泉徴収の要否の判断が難しいこと、非居住者や外国法人への支払い、海外への支払いも多く源泉徴収の要否だけでなく租税条約や為替換算等の問題も生じること、その他さまざまな問題があり、意外に難解です。
久川秀則税理士も述べられていますが、従来は、小畑孝雄編「源泉所得税質疑応答集」のような源泉所得税の実務書や、非居住者・外国法人に対する源泉所得税の実務書を参考にこの分野の実務は行われてきましたが、実務担当者にとっては読解するのにかなりの労力が必要でした。
そこで、メディア、エンターテイメントビジネスの報酬・料金の源泉所得税についての実務・手引書という切り口に着目されたのが、久川秀則税理士。
メディア、エンターテイメントビジネスの会社実務担当者が用いるには、大変わかりやすい便利な書籍だと思います。
ただし、本書はおそらく網羅性よりもわかりやすさを重視されたのか比較的質疑応答の数が少なく、国税局で源泉所得税を長く担当されていた久川秀則税理士の実力をもってすれば、まだまだ多くの引き出しを持っているはずであり、今後の本書のさらなる増補改訂を我々税務のプロとしては期待したいところです。
ところで、久川秀則税理士ですが、従来の国税局出身者のイメージを覆す柔らかいイメージのプライベート・ブログを公開されておりますが、我がパフューム(Perfume)がお勧め音楽で五つ星!
これからのますますのご活躍を期待します。
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