試験制度の変革期で前年比較にご注意!2008年(平成20年)の公認会計士試験、合格者及び合格率等を発表。
金融庁の公認会計士・監査審査会は、本日(11月18日)、2008年(平成20年)の公認会計士試験の合格者及び合格率等を発表。
新聞社等のサイトでは、前年比10.2%減の3,625人で合格率17.1%という数値で報道がなされているようです。
誤りではないのですが、試験制度の変革期であり、旧第2次試験合格者等の「短答式試験合格者免除者」を除いた合格者、前年比12.2%増の3,024人で合格率15.3%という数値で判断しないと、旧制度との比較において適切ではないようです。
■「短答式試験合格者免除者」を除いた合格者数と合格率の推移
hope_cpaさんのブログ「広島の会計士日記」で2003年からの数値をお調べていただいているようですので一部引用させていただくと、直近3年は下記の通り、合格者数、合格率ともに増加しています。
合格者数 (合格率)
2008年 3,024人 (15.3%)
2007年 2,695人 (14.8%)
2006年 1,372人 ( 8.4%)
■司法試験の合格者数と合格率
法務省より発表されている2008年司法試験の合格者数は、
新制度が前年比11.56%増の2,065人で合格率32.98%
旧制度が前年比41.93%減の144人で合格率0.79%
新旧合計すると前年比%5.24増の2,209人で合格率9.02%のようです。
■上記からわかること
公認会計士試験も、司法試験も、試験制度の変革期であり、合格者数、合格率、前年との比較等の意味を読み取るのが大変難しくなっています。
一方で、司法試験の合格者の弁護士業界は、他の弁護士事務所の軒を借りる「のき弁」ならぬ、自宅で自分で開業する「たく弁」なる言葉が出てくるほどの人材市場の人余り、空前の買い手市場となっており、片や公認会計士業界は、J-SOX法や四半期決算対応のため人材市場の人不足、空前の売り手市場となっております。
会計事務所経営者としては、この人材市場の人不足、空前の売り手市場は、大変頭の痛い問題でして、旧第2次試験合格者等の「短答式試験合格者免除者」を除いたベースでの合格者増、合格者3,000人への到達は喜ばしい限りで、合格者数増による業界の競争激化は顧客へのサービス向上へ欠かせぬ健全なものと前向きにとらえたいと思います。
ところで、当事務所でも1名合格者を輩出することができ、一段と喜ばしい限りです。
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