クレア・マルダー(Clare Muldaur)へ受け継がれた魅惑の声と小粋なセンスのDNA、No.3。ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)「ワンダフル・タイム(Is Having A Wonderful Time)」(M)
前回からだいぶご無沙汰してしまった、父、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)から、クレア&ザ・リーズンズ(Clare & the Reasons)が好評のクレア・マルダー(Clare Muldaur)へ、受け継がれた魅惑の声と小粋なセンスのDNAを探る第3弾。
ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ ( Paul Butterfield's Better Days)活動停止後の1975年に発売された、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)のソロ名義の「ワンダフル・タイム(Is Having A Wonderful Time)」(1975年)。
ソロ名義では最高作とされる、当時の脂が乗りきったジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)が堪能できる傑作です。
「ワンダフル・タイム(Is Having A Wonderful Time)」の素晴らしさは、ヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)顔負けの、幅広い視野の壮大なるアメリカ音楽絵巻。
まずは、1曲目の、「リヴイング・イン・ザ・サンライト(Livin' In The Sunlight, Lovin' In The Moonlight)」のスウィング・ジャズ・オーケストラ・サウンドが楽しい。
この曲は、もともとはモーリス・シュヴァリエ(Maurice Chevalier)主演の映画「チュインガム行進曲(The Big Pond)」の挿入歌で、ビング・クロスビーとポール・ホワイトマン楽団(Bing Crosby and the Paul Whiteman Orchestra)のカヴァーが1930年にヒットしたらしい。
You Tube上のビング・クロスビーとポール・ホワイトマン楽団(Bing Crosby and the Paul Whiteman Orchestra)版「リヴイング・イン・ザ・サンライト(Livin' In The Sunlight, Lovin' In The Moonlight)」。
http://jp.youtube.com/watch?v=e7J8SoLlzfs
最後を飾る、前妻マリア・マルダー(Maria Muldaur)と2人の間の子ジェニ・マルダー(Jenni Muldaur)との共演曲、ボビー・チャールズ(Bobby Charles)の名曲「テネシー・ブルース(Tennessee Blues)」まで、アメリカ音楽万華鏡のような楽しさ。
脂の乗り切ったジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)、翌年には、「モーション(Motion)」(1976年)を発表。
以前のロバート・パーマー(Robert Palmer)の記事でご紹介したとおり、1976年はAOR元年。
ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)「シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)」、スティーリー・ダン(Steely Dan)「幻想の摩天楼(The Royal Scam)」が発売された年。
ジャケットと同様に、都会的風味のサウンドがジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)にしてはご愛敬。
しかし、超名曲「サザン・ナイツ(Southern Nights)」を含め、アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)の曲を3曲カヴァーするなど、ニューオリンズ・サウンドが楽しめる、アメリカ音楽万華鏡の楽しさは継承。
ちなみに、私も大好きな名盤、アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)「サザン・ナイツ(Southern Nights)」(1975年)は、本年5月に最新リマスターの素晴らしい音質で再発されていますのでお見逃しなく。
You Tube上のアラン・トゥーサン(Allen Toussaint)版「サザン・ナイツ(Southern Nights)」のライヴ映像。
http://jp.youtube.com/watch?v=oGAFOz5GA8I
クレア&ザ・リーズンズ(Clare & the Reasons)のファンも楽しめる、父、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)の魅惑の声と小粋なセンスのDNA、まだまだ探って行きたいと思います。
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