待ち望んでいた企業再編の名著の後継本。森・濱田松本法律事務所菊地伸、監査法人トーマツ布施伸章、税理士法人トーマツ編著「企業再編―法律・会計・税務と評価」
「あの企業再編の名著」とは、監査法人トーマツ編「企業再編―リストラの法律・会計・税務」(2003年12月第6版)。
企業再編の法律・会計・税務に関する書籍は、バブル崩壊後の失われた10年の間にずいぶんといろいろと出版されましたが、要領良くコンパクトにまとめられた「企業再編―リストラの法律・会計・税務」が抜群の出来でした。
ところが、2004年以降、会社法、金融商品取引法の制定・改正、企業結合・事業分離等会計基準等の策定・改正、企業再編税制の制定・改正が相次ぎ、さすがの監査法人トーマツも足が止まってしまい、その後は改訂版が出版されなくなってしまっていました。
そして、今回、タイトルを変更するとともに、森・濱田松本法律事務所の菊地伸弁護士の共編著の形で、執筆者も世代交代し、「企業再編―法律・会計・税務と評価」が登場。
2004年以降の法制度の改正の凄まじさは、本書の厚さを見れば一目でわかりますが、厚さを増すだけでは対応しきれなかったのか、中の構成の強弱もだいぶ変わったような気がいたします。
企業結合・事業分離等会計基準等、組織再編税制、企業評価等についての記述が増えた半面、株式の譲渡の税務など従来からの論点はかなり簡略化されています(旧版は、非常に良く書けていたと思うのですが)。
旧版と同様に実務に活用して行きたいと思います。
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