図解やフロー・チャートを多用したユニークな力作。森富幸税理士「取引相場のない株式の税務―評価の基礎・売買時価の概要と留意点」
取引相場のない株式(非上場株式)の評価は、法的紛争等の場合もそうですが、比較的客観性のある規定が存在する税務上の評価額も、規定自体が複雑という意味で難解。
それを、図解やフロー・チャートを多用し、「見やすい わかりやすい 使いやすい」実務本作りに挑んだのが、森富幸税理士の「取引相場のない株式の税務―評価の基礎・売買時価の概要と留意点」。
森富幸税理士の大変なご努力がよくわかる、ユニークな力作です。
■本書について
森富幸税理士は、中小企業のオーナー社長の相続、贈与、事業承継、株の売買などに30年以上携わってこられ、平成17年以降は、地元の北海道税理士会研修部で、株式評価の基礎編と売買時価のテーマで研修講師を務めてこられたとのこと。
そして、その研修テキストを、図解やフロー・チャートを多用し、「見やすい わかりやすい 使いやすい」をモットーに再構成したのが本書とのこと。
■売買時価と税務の取扱い
本書が、嬉しいのは、相続・贈与時の評価額と比べると、明文の規定があまりなく判断に苦慮することも多い、売買時価と税務の取扱いについても、豊富な事例と図解やフロー・チャートにようr解説があるのも嬉しいところ。
私も実務での使用はこれからではありますが、一読した感じではかなり頼りになりそうな一冊です。
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