エバー・グリーン!シンバルズ(Cymbals)を称えるNo.17。シンバルズ(Cymbals)「Love You」(M)
まだまだ、引き続き振り返りたい、沖井礼二、矢野博康、土岐麻子からなるシンバルズ(Cymbals)のエバー・グリーンな音楽。
今回は、4thアルバムにしてラスト・オリジナル・レコーディング・アルバムとなった「Love Thing」(2003年5月)。
発売当時のTOWER RECORDのBounceのインタビューを見ると、沖井礼二いわく、空を飛ぶ夢を見るとかっていう「妄想」ではなく、地面を歩く感じという意味で「地面のレコード」を作りたかったと語る、「Love Thing」。
地に足をつけた、普遍的・王道的ポップスの境地に降り立ったシンバルズ(Cymbals)の到達点です。
シンバルズ(Cymbals)にしては、コンセプチャルな編集・引用感覚の印象が薄い「Love Thing」ですが、それでも沖井礼二のタイトル引用の仕掛けは最後まで顕在。
3曲目「アメリカの女王」は、ティー・ボーン・バーネット(T-Bone Burnett)プロデュース、ザ・コステロ・ショウ(The Costello Show)名義のエルビス・コステロ(Elvis Costello)「キング・オブ・アメリカ(King of America)」に対するオマージュ。
You Tube上のシンバルズ(Cymbals)「アメリカの女王」のプロモーション・ビデオ。
http://jp.youtube.com/watch?v=rwUdH036LEM
対訳日本語字幕付で、皮肉の利いた歌詞が楽しめます。
土岐麻子は、前述の発売当時のインタビューによると、従来は熱い演奏に軽いヴォーカルというアンバランスを考えてやっていたのに対し、ストレートに曲の感情を引っ張っていくという歌い方で聴いてる人を踊らせたり歌ったりさせたかったと語っていますが、シンバルズ(Cymbals)のアルバムで土岐麻子が最も伸び伸びとしているのが、「Love Thing」。
なぜか、今までアルバム・ジャケットにほとんど使われなかった土岐麻子のマスクも、横顔ながら採用されています。
残念ながら、シンバルズ(Cymbals)解散→土岐麻子ソロ活動という伏線になってしまったのかもしれない「Love Thing」、シンバルズ(Cymbals)のオリジナル・アルバムの中でも最もエバー・グリーンなアルバムかもしれません。
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