バブル崩壊からやっと立ち直ったと思ったら、今度は世界のバブルが崩壊。2008年度上半期の全国企業倒産件数、3年連続の前年同期比増加、負債総額は上半期としては戦後2番目(帝国ニュース2008年10月9日号より)
帝国ニュース2008年10月9日号によると、2008年度上半期の倒産件数は、6,343件となり、前年同期(5,503件)を15.3%(840件)上回り、3年連続の前年同期比増加。
一方、負債総額も、8兆4,533億1,800万円(前年同期2兆8,794億2,900万円)で前年同期比193.6%の大幅増加で、2005年4月に集計基準を変更しており単純比較はできないとしつつも、上半期としては、2000年度(10兆9137億5900万円)に次ぐ戦後2番目の高水準とのこと。
バブル崩壊からやっと立ち直ったと思ったら、今度は世界のバブルが崩壊してしまったという印象です。
■要因・背景
帝国ニュース2008年10月9日号は、倒産件数増加の要因・背景について、
①景気減速を背景に、中小・零細業者を中心とした「不況型倒産」が増加
②公共工事削減、鋼材価格の高騰などに苦しむ建設業の倒産が高水準で推移
③原料高関連の倒産が341件に急増。前年同期(122件)比179.5%の大幅増加
と指摘。
負債総額増加の要因・背景について、
①リーマン・ブラザーズ証券(株)(東京都)が、戦後2番目の負債3兆4314億円で倒産
②マンション販売の不振から、新興デベロッパーやゼネコンが相次いで倒産
と指摘。
■法的整理
破産は、5,708件(前年同期5012件)で前年同期比13.9%(696件)の増加、会社更生法は15件(前年同期5件)に急増、民事再生法も441件(同310件)で前年同期比42.3%の大幅増加とのこと。
要因・背景について、
①破産は少額管財手続きの浸透により申し立て件数が増加
②会社更生法は権利関係の複雑な案件処理、経営責任明確化への要請から全国的に増加
③民事再生法は事業再生の早期化が定着し、企業規模を問わず申請件数が増加
との指摘。
■上記から感じること
残念ながら、バブル崩壊からやっと立ち直ったと思ったら、今度は世界のバブルが崩壊してしまったという印象を持たざるを得ません。
資本主義経済は、バブルと常に背中合わせだということが、今回のサブプライム・ローンに端を発する金融危機により痛感させられたように思われます。
同じことを繰り返し書かせていただき恐縮ですが、われわれ中小企業経営に携わる者は、今後はこんなことが繰り返されて行くことも念頭に置き、創意工夫を重ねることにより、収益から費用を差し引いた利益を少しでも多く生み出し、企業価値を高めて行くという原理原則を着実に実行して行くのみです。
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