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「世界市場ポートフォリオ」は「経済学的にもっとも正しい投資法」か?「世界の株、時価総額2000兆円目減り 金融危機が直撃」(2008年10月1日付日本経済新聞より)

 今日の日本経済新聞の1面は、「世界の株、時価総額2000兆円目減り 金融危機が直撃」。

 世界の株式時価総額が急減しており、9月末の主要な証券取引所の株式時価総額合計は過去最高だった2007年10月末に比べ2000兆円以上減ったもようで、米金融危機で株安に拍車がかかり、世界の名目国内総生産(GDP)の4割強に相当する価値が目減りし、株安による家計や年金の資産減少が消費や投資を冷やし、世界の実体経済に影を落とす懸念が広がっているとのこと。

H200123_2  一方で、以前にご紹介した、橘玲氏が自著「臆病者のための株入門」(2006年4月)でいち早く提唱した「経済学的にもっとも正しい投資法」である「世界市場ポートフォリオ」と考え方を同じくする、海外ETFの投資本の新刊が本屋の店頭では花盛り。

 時価総額の比率で世界全体に株式投資を行うという「世界市場ポートフォリオ」は、「経済学的にもっとも正しい投資法」であり、だとすれば今は絶好の買い場なのでしょうか?

■9月末の世界の時価総額

 日本経済新聞の記事の推計によると、2008年9月末の世界の時価総額は42兆ドル前後で、2007年10月末のピークより21兆ドル前後、33%前後が減少しているのではないかとのこと。

■「世界市場ポートフォリオ」は「経済学的にもっとも正しい投資法」か?

 例えば10年以上の、長期間で見るならば、過去の実績を見る限り、「世界市場ポートフォリオ」の考え方は大変説得力があります。

 ただし、橘玲氏も、「臆病者のための株入門」で、過去18年間のMSCIワールド・インデックスのデータを基に、18年間では標本数が十分ではなく参考値と考えてほしいとしながらも、「世界市場ポートフォリオの標準偏差は年次ベースで15.6%になる。この場合、31.2%以上儲かったり存したりする統計的な確率は5%(損する確率だけなら2.5%)だから、『1年に30%ちかい損失がある可能性は2%程度』と予測できる。」としています。

 すなわち、33%前後の損失も、高いリターンを得るために想定されるリスクの範囲ということになります。

■株式と債券が半々の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」

 しかし、全額を「世界市場ポートフォリオ」に株式投資をし、短期的とはいえ33%前後の損を負うのはやはり痛いかもしれません。

 そこで、これも以前にご紹介した株式と債券が半々の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を見てみると、2007年10月末の基準価額は10,695円、2008年9月末の基準価額は8,631円で、約19%の損失であり、債券を交えることによるリスクの分散効果がわかります。

■未来のことは誰にもわからない

 「世界市場ポートフォリオ」は確かに大変説得力のある論理でありますが、やはり、「未来のことは誰にもわからない」という、シンプルな事実を忘れてはならないと思います。

 橘玲氏も、「世界市場ポートフォリオ」の依拠するファイナンス理論の根幹にある前提は、資本主義は自己増殖するシステムであり全体として市場が拡大していくという予測で、今後もそれが続く保証はないが、ただし、その場合はデイトレーディングのような短期投資を除けば、どのような長期投資の方法も失敗している可能性が高いという論調です。

 証券会社の示す過去の実績の下のリスクを喚起するための注意書き、「・・・は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではない」という言葉は、真実だと思います。

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