企業買収の際には税務面に関し絶対に目を通すべき傑作専門書。佐藤信祐公認会計士・税理士 「企業買収の税務 第2版―ストラクチャー選択の有利・不利判定」
以前の記事でも、ご紹介しましたが、会社更生法・民事再生法・私的整理の税務について、現在、最も正確かつ的確な内容ではないかと思われる専門書が、「ケース別にわかる企業再生の税務―会社更生法・民事再生法・私的整理」。
平成17年の企業再生に係る税制改正の立法に関与された直後の税理士法人トーマツの稲見誠一税理士と、その頃は同じく税理士法人トーマツに在籍していた佐藤信祐公認会計士・税理士の共著。
その後、佐藤信祐公認会計士・税理士は税理士法人トーマツを退職され、組織再編税制に関する専門書を多数執筆。
中でも、「企業買収の税務―ストラクチャー選択の有利・不利判定」は、大変画期的。
特に、事業譲渡を解散日の前と後のどちらで行うかなどに関係する法人税の清算所得課税関係の話とか、事業譲り受けでいったん株式購入を行った後に行うことによって可能となるみなし配当についての受取配当金の益金不算入関係の話とか、欠損金の繰り戻し還付関係の話とか、通常の税務と異次元的な選択肢については、大変貴重。
複雑多岐にわたる企業買収の税務、我々、専門家としても、本書を必ず手許に起き、漏れがないように点検を重ねたいものです。
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コメント
佐藤先生の「企業買収の税務」、私も愛読しています。
専門家でない者にも分かりやすく書いてあるので、
2冊買って会社と自宅で活用しています。(*゚▽゚)ノ
投稿: ss | 2008年10月 4日 (土) 16時18分
ssさん、コメントありがとうございます。
2冊買って愛読とはすごい。
私も、買ったのを忘れて2冊買ったり、amazonを誤って2回クリックして2冊来てしまうことはありますが(笑)。
投稿: Accounting&Music | 2008年10月 4日 (土) 23時08分