ケンさんも面白いけど、ケンさんの曲もやっぱり面白い。クレイジーケンバンド「ZERO」(M)
CKB引く音楽=0とか、結成10年にしてゼロからのスタートとかいろいろな意味が込められた、クレイジーケンバンドのニュー・アルバム「ZERO」(2008年8月)。
前回、自伝、横山剣「クレイジーケンズ マイ・スタンダード」(2007年12月)のあまりの面白さに、「ケンさんには悪いけど、ケンさんの方が面白い。」とついつい口走りましたが、「ZERO」も相変わらずの素晴らしい完成度です。
まず、横山剣、1960年生まれの48歳、クレイジーケンバンドが結成10年というのに驚きます(それしかたっていないのかという意味で)。
結成が1997年というのは、当ブログで特集中のシンバルズ(Cymbals)と実は同じ。
ケンさんが、クールスRC、ダックテイルズ、ZAZOU(ザズー)という数々のバンドで、いかに紆余曲折を繰り返し、時を重ねてきたかわかります。
しかし、ピチカート・ファイヴ(PIZZICATO FIVE)の 小西晴陽の応援等もあり、ブレーク後、横浜港の積み荷の検査官の副業を止め、クレイジーケンバンドに専念したあたりから、すなわちメジャーのビクターエンタテインメント配給第1弾「グランツーリズモ」(2002年)以降毎年発売されるアルバムの充実度は本当に驚異的。
当ブログにコメントをいただいているMYBさんのUwatzlla!でも、「高打率」との指摘がありますが、我が国の40歳代のミュージシャンとしてはおそらく史上最高レベルの活躍度ではないでしょうか?サザン・オールスターズだって、こんなに安定してアルバム・リリースはできていません。
今回のアルバムで、私の好きなのは、5曲目「デトロイト音頭(Detroit Ondo)」、10曲目「人間摩天楼(Fight The Power)、14曲目「宇宙興業(Planet Of The Gangstar)」といった、ワールイド・ワイド果ては宇宙まで届かんかというケンさんの妄想の広がり。
ただ、気がかりなのは、これだけ完成度の高いアルバムを続けると、相対比較においてモア・ベターなアルバムを作るのがだんだん難しくなってきている点。
まあ、マイ・スタンダードが確立されたタフな男、ケンさんのことですから、また次作でも我々を驚かせてくれるでしょう。
| 固定リンク
「音楽等(やや通向)」カテゴリの記事
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽再発・再編集等ベスト。サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「PERFECT! MENU 」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽再発・再編集等ベスト。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)「The Asylum Albums (1976-1980)」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第3位:高野寛(Hiroshi Takano)「Modern Vintage Future」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第2位:竹内まりや(Mariya Takeuchi)「Precious Days」(2025.01.03)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第1位:椎名林檎(Ringo Sheena)「放生会(Carnival )」(2025.01.03)
コメント
剣さんよりずっと若くてもただ現状維持に汲々とするアーティストが多い中、自らハードルを高く設定して進み続ける剣さん、たしかに突出してグレイトですよね。
CKBには、ビッグタイトル獲らなくてもいいから(もちろん獲ってもいいけど)、毎シーズン好調をキープしてほしいです。末永く。
投稿: MYB | 2008年9月18日 (木) 05時13分