魅惑の声と小粋なセンスのDNA、No.2。ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ ( Paul Butterfield's Better Days)「ライヴ・アット・ウィンターランド(Live At Winterland Ballroom)」(M)
クレア&ザ・リーズンズ(Clare & the Reasons)「ザ・ムーヴィー(The Movie)」(2007年)の国内盤が9月3日に発売になったクレア・マルダー(Clare Muldaur)。
父、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)から、クレア・マルダー(Clare Muldaur)へ受け継がれた魅惑の声と小粋なセンスのDNAを探る第2弾は、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ ( Paul Butterfield's Better Days)の1973年のライヴで1999年に日本先行で発売された、「ライヴ・アット・ウィンターランド(Live At Winterland Ballroom)」。
凄腕ミュージシャン揃いのベター・デイズの中でも、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)の魅惑の声と小粋なセンスがピカリと光ります。
ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)が、マリア・マルダー(Maria Muldaur)と公私ともにコンビを解消するとととともに参加したのが、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ ( Paul Butterfield's Better Days)。
ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ ( Paul Butterfield's Better Days)は、白人ブルースの先駆者にしてブルース・ハープの名手、1942年シカゴ生まれのポール・バターフィールド(Paul Butterfield)がウッド・ストックに1971年に移住するとともに結成したセッション・バンド的なユニット。
その他のメンバーは、細野晴臣や久保田麻琴との交流で日本にも馴染み深い1943年生まれのロニー・バロン(Ronnie Barron)(Key)、ジェフ・マルダーと関係の深い1941年生まれの名手エイモス・ギャレット(Amos Garrett)(G)、後にスタッフ(Stuff)のメンバーとして有名になる1951年生まれのクリストファー・パーカー(Christopher Parker)(D)、タジ・マハール(Taj Mahal)のバックをしていた1945年生まれのビリー・リッチ(Billy Rich)で、凄腕ミュージシャンがウッド・ストックに結集。
左写真は、1stアルバム「ベター・デイズ(Better Days)」(1972年12月)。
あのアイ・ラヴ・ニューヨークのロゴや、発売元のベアズヴィル・レーベルのロゴを手がけたミルトン・グレイザー (Milton Glaser)のアート・ワークによるジャケットが素晴らしい。
ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)は、9曲中6曲でリード・ヴォーカルをとっていますが、2曲目のレイ・チャールズ(Ray Charles)の作曲家として有名なパーシー・メイフィールド(Percy Mayfield)作「愛する人が欲しくて(Please Send Me Someone To Love)」が、名手エイモス・ギャレット(Amos Garrett)のいわゆる「星屑ギター」も絡んで実に気持ちいい。
そして、2ndアルバム「イット・オール・カムズ・バック(It All Comes Back)」(1973年)を発表すると、その後、活動を停止。
2ndアルバムでは、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)のリード・ボーカルは9曲中3曲と後退しますが、5曲目、当時ウッド・ストック在住していた、1938年ルイジアナ州アブヴィル生まれのシンガー・ソング・ライター、ボビー・チャールズ (Bobby Charles)作「スモール・タウン・トーク(Small Town Talk)」が特筆すべき素晴らしさ。
「ライヴ・アット・ウィンターランド(Live At Winterland Ballroom)」は、1stアルバム「ベター・デイズ(Better Days)発売直後の1973年2月のサンフランシスコのウィンターランド・ボール・ルームのライヴで、1999年に日本先行で発売。
ベター・デイズですが、元々セッション・バンド的なユニットであることから、その魅力はライヴの方が良く味わえると思います。特に演奏の上手さにはびっくり。
嬉しいことに、「愛する人が欲しくて(Please Send Me Someone To Love)」だけでなく、「スモール・タウン・トーク(Small Town Talk)」も収録。
ブルース、ニューオリンズ等本格ルーツ・ミュージックの凄腕ミュージシャン揃いのベター・デイズ、ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)の魅惑の声と小粋なセンスが触媒となり、その音楽をいつの時代も色あせない味わい深いものにしていると思います。
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