中小企業経営者、金融機関関係者等の業界情報入手にも役立ちます。日本税理士連合会監修・月刊「税理」編集局編集「<業種別>税理士のための関与先訪問時 経営・税務指導マニュアル」
以前の記事で、公認会計士・税理士等のプロフェッショナルの業界情報を入手するための文献についてお話ししましたが、今回は業種別の税務会計情報の入手のための文献についてです。
昨年12月に発売された、日本税理士連合会監修・月刊「税理」編集局編集「<業種別>税理士のための関与先訪問時 経営・税務指導マニュアル」(2007年)は、公認会計士・税理士等のプロフェッショナルの業種別の税務会計情報の入手のためだけでなく、中小企業経営者、金融機関関係者等の業界情報入手にも役立つ優れた情報源です。
ありそうであまりないのが、業種別の税務会計についての文献です。
従来からのものでは、例えば、日本税理士連合会編集「税理士のための業種別税務・財務マニュアル」六法出版社(1994年。未入手ですが1997年に次の版が出版されている模様。)。
この本は、49の業種について言及しており、日本税理士連合会監修・月刊「税理」編集局編集「<業種別>税理士のための関与先訪問時 経営・税務指導マニュアル」の前身本といったところでしょうか。
一方、日本公認会計士協会側からものでは、日本公認会計士協会編「特殊な分野の会計および会計処理」霞出版社(1993年)。
「特殊な業種における取引編」として、ベンチャー・キャピタル、映画産業、レジャー産業、冠婚葬祭互助会、外食産業、人材派遣業、通信販売業、旅行業、不動産業、運送業、ホテル・旅館業の11業種について言及。
この本にしか出ていない論点もあったりするので、これらの業種の会計処理についてお悩みの方は図書館等で当たられてみるのも良いのでは。
他には、加除式ですが、種別税務会計実務研究会編集「業種別 税務・会計実務処理マニュアル」新日本法規も、本年6月に発売になっており、こちらは、建設・土木、製造、情報通信、運輸・倉庫、卸売・小売、不動産、サービス、医療、介護・福祉の9業種につき詳細に言及。
http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0576_4_47.html?hb=1
日本税理士連合会監修・月刊「税理」編集局編集「<業種別>税理士のための関与先訪問時 経営・税務指導マニュアル」は、月刊「税務」に連載されている「業種別税務」を基に編集されたものと思われますが、見開き2ページで100業種につき、1業界の最新事情、2経営改善のポイント、3税務指導のポイントについて要領良くまとめられており、コンパクトで使い勝手が良いなかなかの優れもの。
それぞれの業種に精通した実務家の税理士が執筆しており、例えば、寿司店の寿司ロボットの耐用年数とか、ゴルフ場のコース勘定の原価管理によるコース改造時等の除却処理の話など、この本でなければ載っていない具体的情報がうれしい限りです。
上記のように大変コンパクトにまとめられていますので、中小企業経営者、金融機関関係者等の業界情報入手の情報源としても役立つのではないでしょうか?
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