エバー・グリーン!シンバルズ(Cymbals)を称えるNo.2。シンバルズ(Cymbals)「Missile&Chocolate」(M)
土岐麻子に加えて、沖井礼二の活動も活発化したこともあり、前回に引き続き振り返りたいエバー・グリーンなシンバルズ(Cymbals)の音楽。
今回は、1sミニ・アルバム「Neat,or Cymbal!」(1998年6月)に続いてインディーズのLD&Kから発売された、2ndミニ・アルバム「Missile&Chocolate」(1998年12月)。
ミサイルとチョコレートと題された本作、前作同様の、時の経過とともに色褪せないエバー・グリーンなポップさ、小気味いビートによる疾走感に加え、沖井礼二のコダワリが随所に目立ち始める1枚です。
沖井礼二のコダワリ、まずは、曲名の引用。
前作「Neat,or Cymbal!」でも、「I'm a Believer」はザ・モンキーズ(The Monkees)の同名曲からの引用とではないかと思われますが、「Missile&Chocolate」でも、「My Brave Face」は、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)のエルビス・コステロ(Elvis Costello)との共作の同名曲からの引用。
You Tube上のザ・モンキーズ(The Monkees)「I'm a Believer」(1966年)のプロモーション・ビデオ。
http://jp.youtube.com/watch?v=XfuBREMXxts
You Tube上の、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)「My Brave Face」(1989年)のプロモーション・ビデオ。
http://jp.youtube.com/watch?v=r3oa6dWL320
どちらも名曲ですね。
小西康陽もそうでしたが、沖井礼二の先達への愛情あふれる編集感覚と言って良いでしょう。
ザ・フー(The Who)の「リトル・ビリー (Little Billy)」をカバー。この曲は、シンバルズ(Cymbals)により初めて聴きましたが、歌詞が抜群に面白い。
クラスで一番太っちょのビリーは一人前になる前に死ぬだろうと他の子供達は笑っていたが、他の子供達はタバコを吸っていたのにビリーは吸わなかったので、中年になったらビリーを残して他の子供達は死んでいった、という歌詞で何というピート・タウンゼント(Pete Townshend)の先見性。
と思ったら、お蔵入りになったものの、実はアメリカ癌協会のためのキャンペーン・ソングとして作られたものとのこと。ザ・フー(The Who)「オッズ&ソッズ(Odds & Sods)」(1974年)に収録。
最後に、ライナー・ノーツのデザイン。クレジットを真ん中の見開きページに左右対称で記載する方法は、以後の作品すべてで踏襲。たぶん、何かの作品へのオマージュなのでしょうが、私ごときではわかりません・・・。
この後、彼らはいよいよメジャー・デビューして行くことになります。
たびたび比較して申し訳ないのですが、ピチカート・ファイヴ(Pizzicato Five)のノンスタンダード時代にあたるのが、シンバルズ(Cymbals)のインディーズ時代でしょうか。
You Tube上の、ピチカート・ファイヴ(Pizzicato Five)「オードリー・ヘップバーン・コンプレックス(The Audrey Hepburn Complex)」(1985年)のプロモーション・ビデオ。
http://jp.youtube.com/watch?v=B1k6J6U-RTo
中後期は、高い完成度を誇ったピチカート・ファイヴ(Pizzicato Five)もかなり初々しいですね(特に小西康陽の踊り)。
年代の違いはありますが、シンバルズ(Cymbals)、立派なものではないですか?
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