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中小企業の従業員退職金準備の基本はやはり中小企業退職金共済(中退共)。「税制適格年金2012年3月末廃止 他制度移行いまだ6割 負担重く中小及び腰」(平成20年8月20日付日本経済新聞より)

 今日(平成20年8月20日)の日本経済新聞の第5面に「税制適格年金2012年3月末廃止 他制度移行いまだ6割 負担重く中小及び腰」の記事が。

 バブル期を中心に中小企業の退職金の外部積立制度として普及した税制適格年金ですが、利回りの悪化に伴う退職金受給権の強化のため、2012年3月末に廃止になるにもかかわらず、同記事によると他制度への移行や解約が済んでいない適格年金は2008年3月末で32,826とピーク時の4割も残っているとのこと。

 移行済みの事例では、中小企業退職金共済(中退共)への移行が14,325(2008年4月末時点)と多いとのことですが、中小企業の従業員退職金準備の基本はやはり中小企業退職金共済(中退共)だと思います。

■税制適格年金がなぜ廃止になるのか?

 税制適格年金は、積立のための拠出金が税務上全額損金に算入できるととともに、バブル期には運用利回りが8%を超えたこともあり、中小企業の退職金の外部積立制度として急速に普及しました。

 しかし、バブル崩壊後の運用利回りの低下により適格年金の解約及び退職金を満額受給できないケースが相次ぎ、退職金受給権の強化のため、2012年3月末に廃止になります。

■税制適格年金の移行先

・確定給付型の退職金準備制度

 厚生年金基金、確定給付企業年金(基金型・規約型)

・確定拠出型の退職金準備制度

 中小企業退職金共済(中退共) 確定拠出年金(日本版401K) 特定退職金共済制度

■中小企業退職金共済(中退共)とは?

 詳しくは、勤労者退職金共済機構のサイトをご覧いただくとして、簡単に言うと以下のとような制度です。

 中退共制度は、 厚生労働省所管の独立行政法人勤労者退職金共済機構を運営主体とする、 昭和34年に「中小企業退職金共済法」に基づき設けられた制度で、確定拠出型の退職金制度です。

 加入できる企業は中小企業者に限られ、その範囲は業種によって異なります。

・製造業や建設業などの一般業種

 常時雇用する従業員の数が300人以下または資本金・出資金が3億円以下のいずれか一方を満す企業。

・卸売業

 100人以下または1億円以下のいずれか一方を満たす企業。

・サービス業

 100人以下または5千万円以下のいずれか一方を満たす企業。

・小売業

 50人以下または5千万円以下のいずれか一方を満たす企業。

■中小企業退職金共済(中退共)のメリット

・毎月の掛け金を約束する確定拠出型の退職金制度であるため、大企業の企業年金制度に多くみられる将来の退職金を約束する確定給付型の退職金制度と異なり、就業規則等で退職金は中退共による積立額とする旨とり決めておけば運用利回りが低下しても積立不足額は発生しません。

・一定期間一定額を国が掛け金を助成してくれる仕組みがあります。

・運営主体が独立行政法人とはいえ、中小企業退職金共済法という国の法律による制度であり、事実上「暗黙の政府保証」があるとも解釈できます。

 以前の記事でも指摘したように、独立行政法人勤労者退職金共済機構の財政状態は決してよろしくはないのではありますが・・・。

・共済金は従業員へ直接支払われるため、従業員の退職金受給権が確保されます。

■中小企業退職金共済(中退共)のデメリット

・支払った掛け金は企業には戻りません。

■税制適格年金の移行先として中小企業退職金共済(中退共)が望ましい理由

 何といっても共済金は従業員へ直接支払われるため従業員の退職金受給権が確保されること、確定拠出型の退職金制度であるため就業規則等で退職金は中退共による積立額とする旨とり決めておけば運用利回りが低下しても積立不足額は発生しないこと、運営主体が独立行政法人とはいえ中小企業退職金共済法という国の法律による制度であり事実上「暗黙の政府保証」があるとも解釈できること、など中小企業退職金共済(中退共)のメリットとして挙げたことがそのまま理由となります。

 よく、支払った掛け金は企業には戻らないという理由で中小企業退職金共済(中退共)を避ける意見も見受けられますが、従業員に約束した退職金制度を準備することがあくまでも目的であり、本末転倒とならないように十分に注意する必要があるかと思われます。

 退職金制度を見直した上で、中小企業退職金共済(中退共)への移行をまずは検討することが基本になるかと思われます。

■中小企業退職金共済(中退共)の利用が困難な場合

 日本経済新聞でも触れられていますが、加入資格がない企業や、すでに中小企業退職金共済(中退共)を利用してしまっている企業は対応に苦慮するかと思われます。

 その場合には、退職金制度を見直した上で、中小企業退職金共済(中退共)と同様に確定給付型の退職金準備制度である、確定拠出年金(日本版401K)や特定退職金共済制度への移行を検討してみるのが良いかと思われます。

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