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企業の市場からの退出のルールの定着。民事再生実務合同研究会 「民事再生手続と監督委員」

H200705  本年5月に発売された、民事再生実務合同研究会 「民事再生手続と監督委員」商事法務(2008年)。

 民事再生実務合同研究会は、東京の三弁護士会の倒産法研究グループの有志の弁護士の、弁護士会の枠を超えて合同研究会とのことで、監督委員の実務に焦点を当てて再生手続を俯瞰しようとするのが本書「民事再生手続と監督委員」。

 注目は、法律雑誌NBL860号~866号(2007年)より再掲載された「<座談会>民事再生手続きの監督委員」です。

 この座談会は、第二東京弁護士会の倒産法制等民事法制検討委員会が平成18年1月に監督委員候補者の弁護士に対象としたアンケートを行い、その結果に伴い、東京、大阪の民事再生手続実務に経験豊富な弁護士の他、東京地裁の裁判官がオブザーバーとして参加して行われたもの。

 裁判所の運用に依存する部分が多く、法律からだけではわかりにくい民事再生手続を理解するのに、大変貴重なアンケート結果及び座団会です。

 民事再生手続での、公認会計士の利用状況、リース債権や敷金債権の認否の仕方、プレパッケージによるスポンサー選定基準のいわゆる「お台場アプローチ」など、この座談会ならではの実務上の貴重な情報が満載されています。

 中でも、私が注目したのは、「東京地裁民事第20部における通常再生事件の進行状況」という統計での、民事再生法が施行された平成12年から平成18年の通算の、履行率88.5%(約90%)、再生手続成功率(予測)69.2%(約70%)という数字。

 履行率とは、終結件数÷(認可件数-履行監督中件数)=終結件数÷(認可後の廃止件数+終結件数)で、再生計画の認可決定がなされたものに対する3年間の監督期間中の弁済が履行され終結されたものの割合かと思われます。

 再生手続成功率(予測)とは、(192条廃止件数+終結件数+履行監督中件数×履行率)÷申立件数=(192条廃止件数+認可件数+履行率)÷申立件数で、申し立てがなされたものに対する3年間の監督期間中の弁済が履行され終結もしくは終結される見込みのものの割合かと思われます。

 私の実務感覚ですと、現在は開始決定はかなり容易に出る感じがいたしますので、認可決定こそが裁判所のお墨付きであり、認可決定がなされると、約90%は、3年間の監督期間中の弁済が履行され終結されている、というのが民事再生手続の履行状況といってよいのではないかと思います。

 これは、大変高い数字ではないかと私は思います。

 民事再生法施行前の和議の時代は、手続上で和議債権に確定判決と同じ効力が与えられず強制執行等が困難なため、履行の確実性よりも債権者から賛成を得ることが重視され、弁済率の相場は30%~40%と高かった印象があり、おそらく履行率は比較にならないぐらいに低かったのではないでしょうか。

 民事再生法が施行されてからは、手続上で確定した再生債権に確定判決と同じ効力が与えられ強制執行等が可能なため、債権者からの賛成だけでなく履行の確実性が重視され、弁済率の相場は10%~20%と低くなった印象があり、約90%という履行率につながったのではないかと思います。

 これは、民事再生手続の信頼性の確保という点では好ましいことであり、元東大落語研究会の「ミスター民事再生法」というべき園尾隆司(元東京地方裁判所民事第20部。現静岡裁判所長)の言葉を借りるならば、「民事再生法により企業の市場からの退出のルールができた」のであり、さらにはそれが確実に定着しているということができるでしょう。

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