バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)!オウズリー(Owsley)「The Hard Way」(M)
オウズリー(Owsley)の2枚目にして、現時点での最新作となるのが、残念ながら日本で未発売の「The Hard Way」(2004年)。
「The Hard Way」の最大の聴きどころは、クレジットはないものの、10曲目が終わった後に、シークレット・トラックとして収録された、言わずと知れたポール・マッカートニー&ウイングス(Paul McCartney & Wings)の1974年の全米No.1ヒットにして名曲中の名曲「バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)」。
前作「カミング・アップ・ローセズ(Owsley)」同様、丁寧に作り上げられた珠玉のポップ・ロック・アルバムに、さらなる華を添えてくれます。
シークレット・トラックとして収録された、オウズリー(Owsley)の「バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)」は、実は、「トリビュート・トゥ・ザ・ミュージック・オブ・ポール・マッカートニー~やさしい気持ち (Warm and Beautiful:A Tribute To the Music of Paul McCartney)」(2001年)の1曲目に収録されたものと同じもの。
ただし、マスタリングが違うのか、「The Hard Way」に収録されたものの方が、段違いに音が良い。シークレット・トラックなので10曲目からでないと頭出しできないのが難点ですが。
上記トリビュート盤のライナー・ノーツによると、ポール・マッカートニー&ウイングス(Paul McCartney & Wings)の「バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)」は、1974年にプールでラジオから流れてきたのを聴いて、その後の一生で音楽をやりたいと気がついたというぐらい、思い入れ深い曲。
私にとっても、中学1年生の1974年6月の土曜日、ラジオ関東「全米TOP40」(22時~25時)の終了間際、湯川れい子氏の解説、ケイシー・ケイサム(Casey Kasem)のDJで今週のNo.1として紹介された、「バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)」は、実に感動的で、その後一生音楽を聴き続けることとなった言っていいぐらい、思い入れ深い曲。
その後に流れた、「全米TOP40」のエンディング・テーマ、MFSB feat スリーディグリーズ( MFSB (Mother, Father, Sister, Brother)featuring vocals by The Three Degrees)「ソウルトレインのテーマ(TSOP (The Sound of Philadelphia))」の甘酸っぱい響きとともに、今でもその感動が鮮やかに蘇ります。
オウズリー(Owsley)の「バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)」の特徴は、完璧な作品に手を入れるのは難しいという理由から、ポール・マッカートニー&ウイングスのオリジナル・バージョンのほとんど完全コピー。
この手法は、オウズリー(Owsley)の敬愛するトッド・ラングレン(Todd Rundgren)が「誓いの明日(Faithful)」(1976年)で用いた手法。
余談ですが、「誓いの明日(Faithful)」を含めたトッド・ラングレンのベアーズ・ビル時代の作品が、最近、歌詞カード・解説なしながら、紙ジャケで1,500円(税込)で限定再発されていますのでファンはお見逃しなく。
話が、バンド・オン・ザ・ランばかりに行ってしまいましたが、「The Hard Way」、究極のメロディーでないと気がすまないというメロディー、1年以上かけて書くという歌詞、よく考えられたギター・サウンドというオウズリー(Owsley)節は健在ですが、さらに嬉しいのは、録音がすごくいいこと。
ギターをジャラーンと鳴らされるだけで、昇天しそうなぐらいな録音の気持ち良さです。
はっきり言って、その音の良さから、バンド・オン・ザ・ランも本家を超えているのではと思われる「The Hard Way」、ポール・ファンにもお勧めです。
でも、オウズリー(Owsley)、プリファブ・スプラウト(Prefab Sprout)ばりの寡作なのは、何とかしてほしいところです。
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