遂に紙ジャケ・再発!知る人ぞ知る極上ポップ・ロック・バンドNo.5。ビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」(M)
既にご紹介のように、知る人ぞ知る極上ポップ・ロック・バンド、ビル・ネルソン(Bill Nelson)率いるビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)のオリジナル・アルバム全作品が、遂に6月25日に紙ジャケ・再発。
6枚目にして、ラスト・アルバムなのが、ビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」(1978年)。
パンクを触媒にニューウェイヴ・ミュージックが生まれつつあった当時の時代感覚があふれる1枚です。
1977年1月ににデヴィッド・ボウイ(David Bowie)がブライアン・イーノ(Brian Eno)の手をかり「ロウ(Low)」を発表。
「ロウ(Low)」のシンプルでソリッドなサウンドは、来るニュー・ウェーヴ・サウンドを先取りする衝撃的なものでした。
特に歪んだようなスネアのドラム・サウンドは、その後、ピーター・ゲイブリエル(Peter Gabriel)の「ピーターガブリエル III(Peter Gabriel Ⅲ)」(1980年)を契機に大ブームとなった、スティーヴ・リリーホワイト(Steve Lillywhite)とヒュー・パジャム(Hugh Padgham)によるゲート・エコーのドラム・サウンドの原型とも言うべきものでした。
おそらく、ビル・ネルソン(Bill Nelson)も「ロウ(Low)」に相当な衝撃を受けたのか、「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」では、ドラム・サウンドがそっくり。これは、真似だというより、「ロウ(Low)」のドラム・サウンドに素早く着目したことを大いに称賛すべきでしょう。
「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」では、ビル・ネルソン(Bill Nelson)の弾きまくりギターが後退し、シンセサイザーを重視したテクノ・ポップ的要素が強くなっています。
YMOのファースト・アルバムが1978年11月、バグルスの「ラジオスターの悲劇(Video Killed The Radio Star)」のヒットが1979年であることを考えると、1978年2月に発売され1977年6月には録音が完了していたとされる「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」が、いかに時代を先取りしたアルバムであったかがわかります。
発売された当時は、従来のビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)節の希薄なこのアルバムは中途半端な印象がありましたが、今聞くとビル・ネルソン(Bill Nelson)の濃いメロディーは健在であり、「ロウ(Low)」より私は楽しめます。
You Tubeにアップされた「プラスティック幻想(Drastic Plastic)」関連の映像。
6曲目「パニック・イン・ザ・ワールド(Panic In The World)」のライヴ。
http://jp.youtube.com/watch?v=yA1b6W_Pa_I
この頃からギターがセミアコでなくなっています。デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の「ヒーローズ(Heroes)」に似ているのはご愛嬌か。
7曲目「危険な訪問者(Dangerous Stranger)」のライヴ。
http://jp.youtube.com/watch?v=obFs563YHdY
ビル・ネルソン(Bill Nelson)にしては珍しくセーター姿の映像。ギターはヤマハのSGか。
ボーナス・トラックの13曲目「ラヴァーズ・アー・モータル(Lovers Are Mortal)」のライヴ。
http://jp.youtube.com/watch?v=u4gWlBusj5g
こちらも、セーター姿にギターがオベーションのエレアコ。
深民淳氏の日本盤ライナーで知りましたが、ベースのチャールス・トゥマハイ(Charles Tumahai)は、大変残念なことに1995年に母国のニュージーランドで先住民問題のボランティア活動中に亡くなっていたとのこと。
こうやって、再発アルバムを聴き直してみると、ベースのチャールス・トゥマハイ(Charles Tumahai)とドラムのサイモン・フォックス(Simon Fox)のリズムがビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)の欠かせぬ魅力。
もう2度と再現できないであろうビー・バップ・デラックス(Be Bop Deluxe)のサウンド、これを機会にぜひお試しください。
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