「ひたすらサービスをサービスとして純粋に磨き上げていく」。グーグル(Google)米本社副社長兼日本法人社長、村上憲郎氏。
村上憲郎(むらかみのりお)氏は、1947年生まれで、1970年の京都大学工学部卒業後、日立電子、日本DEC等を経て、1997年よりノーザンテレコムジャパン代表取締役社長、ノーテルネットワークス代表取締役社長となり、2003年グーグル(Google)に入社し米本社副社長兼日本法人社長に就任し、現在に至るとのことで、技術のわかるプロ経営者。
グーグル(Google)は、1998年、アメリカ・スタンフォード大学生のラリー・ページ(Larry Page)とセルゲイ・ブリン(Sergey Brin)によって設立され、わずか10年で「検索エンジン」で世界シェア6割を誇り時価総額でも世界有数の企業に急成長。
テレビを見ない私でも録画して思わず見てしまった2007年1月のNHKスペシャル「グーグル革命の衝撃 ~あなたの人生を“検索”が変える~」では、収入源からお金の管理、情報の管理まですべてグーグルに依存しているアメリカ人が紹介されていましたが、現代社会においてのグーグル(Google)の存在は生活に欠かせない「便利」な道具であるとともに、「脅威」の存在に感じざるを得ないことも事実。
そのグーグル(Google)の、日本法人社長だけでなく、米本社副社長も兼ねる村上憲郎氏の話には、思わず注目してしまいますが、全体の印象としては、グーグル(Google)自体、奇抜な発想というよりも簡潔かつ的確な原理原則論に従った極めて合理的な企業文化を持っているとの印象。
特に印象に残ったのは、グーグル(Google)は、無料サービスを原則とし広告収入で財務的に支える構造をとっている点について、サービスから直接的に料金をとって収入を得ようとすると、サービス本来のあるべき姿ではない、よりお金をもらえそうな形にサービスが姿を変えてゆくということを懸念していて、村上憲郎氏も「ひたすらサービスをサービスとして純粋に磨き上げていく、ということを追求しているんだろうと思います。」と理解している点。
さすがに無料サービスで広告収入を得るというのは無理だけど、普段、自分で実行しようとしていることとほとんど変わりがないことじゃない、と私は妙に共感。
これは、古き良き日本人のサービスの精神、あるいは「損して得取れ」の商売の精神と基本的には同じ事じゃない、グーグル(Google)もそんなに怖くはないじゃないと妙に安心。
「ひたすらサービスをサービスとして純粋に磨き上げていく」という、グーグル(Google)の精神、我々中小企業の経営にも大いに活用して行きたいものです。
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