平成20年(2008年)税制改正でこうなるNo.19。資産の評価損益の計上等が認められる私的整理の範囲拡大(法人税等)
今回は、資産の評価損益の計上等が認められる私的整理の範囲拡大です。
事業再生に関する画期的な税制改正であった、平成17 年度税制改正により、民事再生法等の法的整理とともに、一定の私的整理については、資産の評価損及び評価益の計上並びに期限切れ欠損金の優先控除が認められました。
ところが、中小企業の事業再生を進める上で、従来の制度では信用保証協会による債権放棄を受ける際に特例措置を受けることができず障害となる場合があり得るため、
・「2以上の金融機関等が債務免除することが定められていること」という要件の
・「金融機関等」の範囲に信用保証協会が加えられ
資産の評価損益の計上等が認められる私的整理の範囲拡大が行われました。
■従来の制度
その債務処理に関する計画が以下の要件1~3及び4又は5を満たす私的整理については、民事再生法の再生計画認可の決定その他これに準ずる一定の事実が生じた場合として、資産の評価損益の一定額の損金及び益金算入、さらに期限切れ欠損金の青色欠損金等に対する優先控除が認められます。
・要件
1. 一般に公表された債務処理を行うための手続についての準則(例.私的整理ガイドライン、再生支援協議会の準則等)に従っていること。
2.債務者の有する資産及び負債につき一定の資産評定が行われ、当該資産評定による価額を基礎とした当該債務者の貸借対照表が作成されていること。
3.上記の貸借対照表における資産及び負債の価額、当該計画における損益の見込み等に基づいて債務者に対して債務の免除をする金額が定められていること
4.2以上の金融機関等が債務の免除をすることが定められていること。
5.政府関係金融機関又は整理回収機構(RCC)が債権放棄することが定められていること。
■適用時期
この改正は、平成20年4月1日以後に再生計画認可の決定があったたことに準ずる事実が生ずる場合等について適用されます。
■資産の評価損益の計上等が認められる私的整理の範囲拡大について感じること
経済産業省の資料によると、信用保証協会は、平成17年度税制改正当時には、求償権放棄が認められなかったため、資産の評価損益の計上等が認められる私的整理の対象となり得なかったのですが、平成18年1月から求償権放棄が認められるようになって以降、事業再生支援の取組みを積極化させているため、この改正に至ったようです。
政府系金融機関や信用保証協会は、従来より債権放棄等に消極的であり、法的整理を含めた事業再生において障害となることが多く見受けられました。
この改正を契機に、債権放棄等を含めた、信用保証協会のさらなる事業再生支援の取組みの積極化を期待したいところです。
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