平成20年(2008年)税制改正でこうなるNo.17。省エネビルの投資促進税制の拡充(法人税等)
今回は、省エネビルの投資促進税制の拡充です。
地球温暖化防止に向けて、増加が著しい民生業務部門のCO2排出量の削減のため、
・特別償却または税額控除の優遇措置が受けられる
・エネルギー需給構造改革に資する対象設備に
・省エネビルシステムが追加され
・適用期限の2年延長
の拡充が行われました。
■従来の制度
青色申告法人が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの期間内に、エネルギー需給構造改革推進設備等の取得等をして、1年以内に事業の用に供した場合には、一定の要件の下に、基準取得価額の30%の特別償却(中小企業等については、当期の法人税額の20%相当額限度で1年間繰越可能な、基準取得価額の7%の税額控除の選択適用も可能)が認められていました。
■改正の概要
従来の制度の対象設備に、省エネビルシステム、すなわち建築物に係るエネルギーの使用の合理化に著しく資する次の設備で、一定の要件を満たすものが追加され、適用期限も2年延長され、平成22年3月31日までとされました。
1.建物の熱の損失の防止及び建築物のエネルギーの効率的利用に資する設備
2.建築物の室内温度、エネルギーの使用の状況等に応じた空気調和設備、照明設備その他建築設備の運転及び管理を行うことによりエネルギーの使用料の削減に資する設備
■適用時期
この改正は、平成20年4月1日以後に取得又は制作若しくは建設をするエネルギー需給構造改革推進設備等について適用となります。
■省エネビルの投資促進税制の拡充から感じること
経済産業省の資料によると、民生業務部門は、2006年は1990年に比べ+41.7%もCO2排出量が増加がしており、省エネ対策を加速するため、
①省エネ効果の高い窓等の断熱と空調、照明、給湯等の建築設備から構成される高効率ビルシステム、
②計測や制御、監視、管理などを行うことによって空調等の主設備のエネルギーを削減するビルエネルギー・管理システム(BEMS))
といった省エネビルシステムの導入を支援するのがこの改正の趣旨とのことです。
地球温暖化防止に向けての民生業務部門のCO2排出量の削減、という目的に資する好ましい税制改正かと思われます。
適用する場合がかなり限られる税制ですので、省エネビルシステムの導入に際しては、検討漏れ、適用漏れがないように十分に留意する必要があるのではないでしょうか。
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