平成20年(2008年)税制改正でこうなるNo.16。長期優良住宅に対する特例の創設(登録免許税・固定資産税・不動産取得税)
今回は、長期優良住宅に対する特例の創設(登録免許税・固定資産税・不動産取得税)です。
環境問題、資源エネルギー問題が深刻化する中、良質な住宅を大切に長く使おうという「200年住宅」構想の観点から
一定の基準に適合する認定を受けた長期優良住宅について
登録免許税の税率軽減
固定資産税の税額の減額
不動産取得税の課税標準からの控除額拡大
の特例が創設されました。
■対象となる長期優良住宅
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の制定に伴い、個人が、同法の施行の日から平成22年3月31日までの間に新築又は取得(未使用のものに限る。)をする一定の基準に適合する「長期優良住宅」。
■マンションの場合の長期優良住宅のイメージ(国土交通省サイトより)
・構造躯体の耐久性
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
・変化に対応できる良質な居住空間
居住のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること
・住宅の耐震性
大規模な地震の後、構造躯体の大きな補修をすることなく使用を継続できること
・内装・設備の維持管理の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること
■登録免許税の税率軽減
税率を一般住宅特例より軽減
所有権保存登記: 本則0.4%、一般住宅特例0.15%→0.1%
所有権移転登記: 本則2.0%、一般住宅特例0.3%→0.1%
■固定資産税の税額の減額
新築住宅に係る減額特例の適用期間を一般住宅より長期間設定
戸建等(中高層耐火建築物以外): 一般特例3年間1/2→5年間1/2
マンション等(中高層耐火建築物): 一般特例5年間1/2→7年間1/2
■不動産取得税の課税標準からの控除額拡大
課税標準からの控除額を一般特例より拡大
一般住宅特例1,200万円控除→1,300万円控除
■適用時期
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の制定にされ、施行の日から平成22年3月31日までの間に新築又は取得(未使用のものに限る。)をする一定の基準に適合する「長期優良住宅」に適用されます。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律は、現在も国会で審議中のようであり、施行日や「長期優良住宅」の認定要件等詳細につきましては、未だ未定のようです。
■長期優良住宅に対する特例の創設について感じること
CO2や産業廃棄物の削減につながる、良質な住宅を大切に長く使おうという「200年住宅」構想に資する、好ましい改正かと思われます。
ますます拍車がかかる原油価格高騰からも、「大切に長く使う」という考え方は、今後さらに重要になってくるでしょう。
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