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平成20年(2008年)税制改正でこうなるNo.12。金融証券税制における資料情報制度等と源泉徴収義務の整備等(所得税・住民税)

 今回は、金融証券税制における資料情報制度等と源泉徴収義務の整備等です。

 金融商品一体課税を視野に入れた、上場株式等の譲渡所得、配当所得、損益通算についての改正に伴い、

源泉徴収口座に係る特定口座年間取引報告書について

・税務署への提出を不要とする措置の廃止

・特定口座年間取引報告書への源泉徴収口座に受け入れた配当等の額等の記載

上場株式等の配当等に対する源泉徴収について

・支払事務取扱者(証券会社等)を通じて支払をする場合は、支払事務取扱者を源泉徴収義務者とする

・公募株式投資信託の収益の分配に係る配当等についても支払事務取扱者を源泉徴収義務者とする

・源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等について源泉徴収した所得税の納付期限を、その徴収の日の属する年の翌年1月10日とする

等の整備等が行われました。

 

■資料情報制度等の整備

・源泉徴収口座に係る特定口座年間取引報告書

 源泉徴収口座に係る特定口座年間取引報告書の税務署への提出を不要とする措置が廃止され、平成21年1月1日以後に源泉徴収口座において処理される上場株式等の譲渡に係る報告書から適用となります。

 特定口座年間取引報告書の記載事項に、源泉徴収口座に受け入れた配当等の額等が加わえられ、平成22年1月1日以後に支払う上場株式等の配当等から適用となります。

・7%の源泉徴収税率を適用する上場株式等の配当等の支払調書

 当該配当等については、すべての配当等の支払調書を税務署へ提出しなければならないこととされましたが、源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等については、当該支払調書の税務署への提出は要しないこととされ、平成21年1月1日以後に支払う配当等から適用となります。

・配当等の額等を記載した支払報告書の交付

 上場株式等の配当等の支払者又は支払事務取扱者は、当該配当等の支払を受ける者に対して、その支払う配当等の額等を記載した支払報告書を交付しなければならないこととされましたが、源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等については、当該報告書の支払を受ける者への交付は要しないこととされました。

 また、上場株式等に係る配当所得の金額を申告する場合には、当該支払報告書又は源泉徴収口座に係る特定口座年間取引報告書を確定申告書に添付しなければならないこととされました。

 これらの改正も、平成21年1月1日以後に支払う配当等から適用となります。

■源泉徴収義務の整備等

・上場株式等の配当等の源泉徴収口座における損益通算を可能とするための措置

 支払事務取扱者(証券会社等)を通じて支払をする上場株式等の配当等について、当該支払事務取扱者が源泉徴収義務者とされます。

 公募株式投資信託の収益の分配に係る配当等について、当該配当等の支払事務取扱者が源泉徴収義務者とされます。

 源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等について源泉徴収した所得税の納付期限が、その徴収の日の属する年の翌年1月10日とされます。

 これらの改正は、平成22年1月1日以後に支払う上場株式等の配当等から適用となります。

・公募株式投資信託の終了又は一部の解約

 居住者等が公募株式投資信託の終了又は一部の解約により交付を受ける金銭の額その他の資産の価額については、その全額を株式等譲渡所得等の収入金額とみなして課税することとされますが、平成21年1月1日以後の終了又は一部の解約から適用となります。従来は、利益が生じた場合等は配当所得とされましたが、改正後は損失と同様に譲渡所得等となり、換金方法として解約でなく買取を選択した場合と同じ取り扱いになりました。

■住民税における特別徴収義務の整備等

 上記の所得税における改正に合わせ所要の整備が行われますが、詳細については省略いたします。

■資料情報制度等と源泉徴収義務の整備等について感じること

 現行の金融商品の課税制度は、私どもプロの目から見ても大変複雑で、複数種類の金融商品から生じた所得と損失が、所得の相違により損益通算できないことも多く、分散投資を行う投資家にとっては納得が行かない点が多々ありました。

 この複雑な課税制度が、預金から投資への流れを阻害していた面は否定できず、金融所得の一体課税へ大きく踏み出す今回の改正は好ましいことだと思われます。

 特に、上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当所得との損益通算が、源泉徴収口座(特定口座)で可能になることは、投資家にとって大きなメリットだと思います。

 また、当ブログでも以前に指摘いたしましたが、公募株式投資信託の換金方法として、現状では買取と解約で差異が生じ一般的には買取が有利とされますが、大変わかりにくく、両者を同じ取り扱いにする今回の改正は、投資家にとってメリットがあるものと評価できます。

 

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