ロバート・パ-マー(Robert Palmer)を大いに讃えるNo.9。 「プライド(PRIDE)」(M)
2007年デジタル・リマスターの9枚組ボックス・セット、ロバート・パーマー「アイランド・イヤーズ(ISLAND YEARS 1974-1985)」(2007年)からの8枚目は、「プライド(PRIDE)」(1983年)。
「テクノ」と「ワールド・ミュージック」という1980年代の音楽界の2大潮流を見事に融合した、ロバート・パーマーのひとつの金字塔となったアルバムです。
ロバート・パーマー「プライド(PRIDE)」、ルパート・ハイン(Rupert Hine)が参加したとの事前情報に、当時の私は狂喜乱舞。
ルパート・ハイン(Rupert Hine)は、そもそもは、カフェ・ジャックス(Café Jacques )「ラウンド・ザ・バック(Round the Back )」(1977年)のプロデューサーとして、ムーンライダーズの鈴木慶一 が日本に紹介。
「プライド(PRIDE)」発売前には、「イミュニティ(IMMUNITY)」(1981年)、「WAVING NOT DOROWNING」(1982年)と、サンプリング等を駆使したエレクトロニックで緻密な傑作を連発し、知る人ぞ知るアーティストでした。
左の写真は、日本未発売の最高傑作「WAVING NOT DOROWNING」。
ルパート・ハイン(Rupert Hine)と来るとは、ロバート・パーマーただものではないとびっくりした思い出があります。
また、1980年代前半は、ニュー・ウェーヴのアーティスト達が、世界各地の非欧米的なエスニック音楽の要素をロックに導入し活力を得るのが流行りましたが、それにより世界各地の非欧米的な音楽のアーティスト達が欧米の音楽マーケットに進出する機会も出てきました。
「プライド(PRIDE)」発売前年の1982年には、ピーター・ガブリエルが主宰したウォーマッド(WOMAD。World of Music Arts and Dance) フェスティバルがヨーロッパで成功をおさめ、ロバート・パーマーが所属したアイランド・レーベルも、1970年代後半のジャマイカのレゲエのボブ・マーリーに続き、ナイジェリアのジュジュ・ミュージックのキング・サニー・アデの売り出しに力を入れ始め、正にワールド・ミュージック元年ともいうべき状況となってきていました。
そのような中、発売された「プライド(PRIDE)」は、ルパート・ハイン(Rupert Hine)やザ・システム(The system)のデビッド・フランクによるエレクトロニックな要素と、ジュジュ・ミュージックの影響やインドの「ウルドゥ語」による曲の採用などのワールド・ミュージックの要素が、見事に融合した、非常に完成度の高い傑作アルバムになりました。
特に象徴的なのが、当時のオリビア・ニュートン・ジョンのエアロビクス・ブームに乗ったヒット曲「フィジカル」を皮肉った歌詩も話題を呼んだ、テクノ・カリビアン・ミュージック、1曲目でタイトル曲の「プライド(PRIDE)」です。
YOU TUBEに当時の「プライド(PRIDE)」のプロモーション・ビデオがアップされていましたのでぜひお楽しみください。
http://www.youtube.com/watch?v=1yRbWx-0FUw
「プライド(PRIDE)」という傑作を生み出したロバート・パーマー、今後はいったいどんな進化を見せてくれるのか、末恐ろしいものを当時は感じましたが、その後はデュラン・デュランのアンディ・テイラーの誘いのおかげで思わぬ方向に舵を切ってしまいます。
そのまま、行ってくれていたら・・・というわけで、次回以降に続きます。
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