ロバート・パ-マー(Robert Palmer)を大いに讃えるNo.10。「リップ・タイド(RIPTIDE)」(M)
2007年デジタル・リマスターの9枚組ボックス・セット、ロバート・パーマー「アイランド・イヤーズ(ISLAND YEARS 1974-1985)」(2007年)からの最後の1枚は、「リップ・タイド(RIPTIDE)」(1985年)。
「リップ・タイド(RIPTIDE)」ですが、美女を従えたプロモーション・ビデオが当時のMTVブームに見事にはまった全米No.1ヒット、「恋におぼれて(Addicted to Love)」を含む、ロバート・パーマーの大ブレイク作です。
直前の1985年5月に、デュラン・デュランのジョン・テイラー(B)とアンディ・テイラー(G)の誘いで、シックのトニー・トンプソン(D)を含めた4人で結成したセッション・バンド的ユニット、ザ・パワー・ステーション(The Power Station)の「ザ・パワー・ステーション(The Power Station)」が発売され、思わぬ成功(全英12位、全米6位)。
ザ・パワー・ステーション(The Power Station)は、同名のNYのスタジオで録音したラウドなドラム・サウンドと、ヘヴィ・メタル・ギターの組み合わせが、とても新鮮で当時大反響。
You Tubeに、当時のプロモーション・ビデオがアップされていますが、実に懐かしいですね。
「サム・ライク・イット・ホット(Some Like It hot )」(1985年3月)
http://www.youtube.com/watch?v=Hq6hY0Y3KGk
「ゲット・イット・オン(Get It On(Bang A Gong) )」(1985年5月)
http://www.youtube.com/watch?v=ZUc629OcQPo&feature=related
「ザ・パワー・ステーション(The Power Station)」は、2005年にメイキングDVD付のリマスター盤(日本未発売)が発売されていますのでお見逃しなく。
リマスター盤のジャケットに、バーナード・エドワーズ(プロデューサー)、ロバート・パーマー、トニー・トンプソンに捧ぐと記載されていますが、デュラン・デュランの二人以外は全員亡くなっていることに気が付きます。
1985年11月に発売された、「リップ・タイド(RIPTIDE)」では、「ザ・パワー・ステーション(The Power Station)」と同じく、プロデューサーに、シックのバーナード・エドワーズを起用し、ザ・パワー・ステーション(The Power Station)のエッセンスを全面的に注入。
そのおかげか、「恋におぼれて(Addicted to Love)」が、なんと遂に全米No.1。
You Tubeに、これまた懐かしい当時のビデオが。
「恋におぼれて(Addicted to Love)」
http://www.youtube.com/watch?v=05UgbSul4Vg
「ターン・ユー・オン( I Didn't Mean to Turn You On)」
http://www.youtube.com/watch?v=9P2hoO088lc
これはびっくりの、プロモーション来日時の小林克也「ベスト・ヒットUSA」でのインタビュー(1985年)
http://www.youtube.com/watch?v=HZtZ28Wgaqs&feature=related
(以前に触れたグラム・ロック嫌い発言と矛盾はありません!)
これらの、プロモーション・ビデオ等で、ロバート・パーマーには、美女を従えて、ハードなロックをシャウトするスーツ姿のダンディなおじさんというイメージが定着しました。
ナロー・カラーのシャツ、結び目の小さいタイ、肩幅の広いスーツ(ダブルならなお良し)というのが、ジョルジオ・アルマーニが提唱し当時流行ったファッション。ここ10年以上は、肩幅が狭いスーツに、昆布締めのような結び目の大きいタイの流行がずいぶんと続いていましたが、最近のラルフ・ローレンなど揺り戻し的に類似のスタイルが再び出てきているようであり、時代の移り変わりは面白いものです。
ロバート・パーマーが着ているのもアルマーニの可能性が高いでしょう。
ただし、素晴らしいファン・サイト「Give My Regards To Mr. Palmer ! パーマー氏に宜しく!」に「COSMOPOLITAN JAPAN 1994年12月20号」のインタビューで「バルビスのスーツがお気に入り」と答えていたとの記述があり、もしかすると「バルバス」のスーツかもしれません。「バルバス」は、アルマーニがブレイク前にデザイナーを務めていたされるイタリアのブランドで、音楽界きっての洒落者、加藤和彦もヨーロッパ3部作の当時に愛用(現在の加藤和彦は、冬物はロンドンのファーラン&ハーヴィー(Fallan&Harvey)、夏物はミラノ在住の日本人船橋幸彦氏のサルトリアイプシロン(Sartoria Ypsilon)のビスポーク・スーツとのこと)。
いずれにしても、スーツへのこだわりも音楽同様マニアックな感じがいたします。
ところで、私の好みを言わせていただくと、ザ・パワー・ステーション(The Power Station)以後の、ロバート・パーマーには、今ひとつの印象。ラウドなドラム・サウンドと、AC/DC風ヘヴィ・メタル・ギターの組み合わせなどは面白いのですが、さまざまな要素の組み合わせから生まれる味わい深さが急速に無くなってしまったように感じます。
「プライド(PRIDE)」の記事にも書きましたが、そのまま、行ってくれていたら・・・と思うのは私だけでしょうか?
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