平成20年(2008年)税制改正でこうなるNo.4。情報基盤強化税制の拡充(法人税・所得税)。
4月30日にようやく成立し、同日に公布・施行された平成20年度税制改正法案で、どこがどう変わったのか、引き続き概要を確認して行きたいと思います。
今回は、情報基盤強化税制の拡充についてです。
我が国の情報セキュリテイ対策は、米国等に対して大きく遅れており、情報システムの最適な構築が国際競争力強化につながるとの観点より、
・平成18年税制改正でIT投資減税に代わり創設された情報基盤強化税制について
・対象設備を追加するなど改正の上で
・適用期限が2年間延長
となりました。
■平成20年(2008年)税制改正の概要
・従来の制度
産業競争力の向上に資する一定の情報セキュリティー対策対応設備を取得等して
国内にある事業の用に供した場合に
取得価額の50%相当額の特別償却or10%相当額の税額控除が選択適用可能
資本金1億円以下の法人は取得価額の合計額の最低限度は300万円
資本金1億円超10億円以下の法人は取得価額の合計額の最低限度は3,000万円
資本金10億円超の法人は取得価額の合計額の最低限度は1億円
対象資産は
(1)OS及びこれと同時に設置されるサーバー
(2)データベース管理ソフトウェア及びびこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア
(3)ファイア・フォール((1)又は(2)と同時に取得されるものに限る)
・改正点
資本金1億円以下の法人は取得価額の合計額の最低限度を70万円(従来300万円)へ引き下げる。
ただし、資本金10億円超の法人は対象となる取得価額は200億円を限度に制限。
対象設備に
部門間・企業間で分断されている情報システムを連携するソフトウェアとして一定の要件を満たすものを追加、
SaaS(Software as a Service)・ASP(Application Service Provider)事業者の取得する設備も追加。
■適用時期
法人税については、青色申告書を提出する法人が、平成18年4月1日から平成22年3月31日までの期間内に、その製作の後事業の用に供されたことのない情報基盤強化設備等を取得し、又は情報基盤強化設備等を製作して、これを国内にある当該法人の営む事業の用に供した場合において、その事業の用に供した日を含む事業年度で、改正後の規定は、平成20年4月1日以後に終了する事業年度分について適用。
所得税については、青色申告書を提出する個人が、平成20年4月1日から平成22年3月31日までの期間内に、その製作の後事業の用に供されたことのない情報基盤強化設備等を取得し、又は情報基盤強化設備等を製作して、これを国内にある当該個人の営む事業の用に供した場合において、その事業の用に供した日の属する年で、改正後の規定は、平成20年4月1日から適用。
■情報基盤強化税制の改正について感じること
・適用忘れに注意!
以前にも当ブログで指摘しましたが、租税特別措置法の特別償却や税額控除は、その適用を受けるために余分にキャッシュ・アウトしたのでない限り、「お金の出ない節税」につながるすばらしい制度ですが、適用忘れが多いので注意が必要です。
・特別償却と税額控除の選択に注意!
単年度だけ考えれば、取得価額の50%相当額の特別償却が有利かもしれませんが、中長期的に考えれば減価償却の他に税額控除が受けられる、取得価額の10%相当額の税額控除の方が有利になることが多いのではないかと思われます。
・取得価額の最低限度に注意!
IT関係の費用は、年々低額化しており、中小企業においては、基本的にミニマムなIT投資を心がけるべきであり、情報基盤強化税制を使う機会は少ないかもしれません。
情報基盤強化税制を受けたいがゆえに、多額のIT投資をするようでは本末転倒の場合もあるかと思われますのでご注意ください。
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