どうなる異例の事態No.6。税制改正法案の未成立は過去にあったのか?
■税務研究会の税務通信平成20年4月14日号によると
4月1日の額賀財務大臣会見で、「税制関連法案が未成立という35年振りの異常事態」という発言があり、昭和47年度(1972年)の税制改正以来ということのようです。昭和47年度改正では、所得税法、法人税法、租税特別措置法など7件の改正法案が提出されていましたが、租税特別措置法の成立が4月半ば、所得・法人・相続税法などの成立は会期末近くの6月だったとのことです。
■昭和47年(1972年)の国会の状況
インターネットでいろいろ調べてみると、昭和47年(1972年)に沖縄が返還されているのですが、沖縄返還に関して、外務省極秘電信に基づき、返還協定では米国が支払うことになっていた返還土地の原状回復費400万ドルを日本側が極秘に肩代わりするという日米間の密約があったとする沖縄返還密約事件(西山事件)が起き、社会党などが国会で追及し、かなり紛糾していたようです。求心力を失っていた当時の佐藤栄作内閣は7月に総辞職し、田中角栄内閣が誕生しています。
また、前年の1971年7月には、米国のニクソン大統領が、ドルと金との交換停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制の終了と変動為替相場制への突入を告げる声明を行い、いわゆるニクソン・ショックが起きています。
■昭和47年(1972年)と現在を比べると
社会保険庁や防衛庁の行政の不祥事、ねじれ国会に象徴される政治の混乱、前年から尾を引くサブプライム・ショックによる経済の混乱と、当時とよく似ているような気がいたします。
でも、租税特別措置法の成立が4月半ばというのはともかく、所得・法人・相続税法などの成立は6月というのはちょっと・・・という気がいたしますがいかがでしょうか?
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