ロバート・パ-マー(Robert Palmer)を大いに讃えるNo.4。「サム・ピープル(Some People Can Do What They Like)」(M)
2007年デジタル・リマスターの9枚組ボックス・セット、ロバート・パーマー「アイランド・イヤーズ(ISLAND YEARS 1974-1985)」(2007年)からの3枚目は、「サム・ピープル(Some People Can Do What They Like)」(1976年)。
タイトル曲「サム・ピープル(Some People Can Do What They Like)」は、カヴァーだった前2作と異なり、ロバート・パーマー自身の作。
前作から始まったプレイボーイ路線のジャケットですが、今回はカード・ゲームで負けた方が脱ぐという「野球拳」的な「サム・ピープル」、やっぱりファンキーな、またまた聴きあきない作品です。
ロバート・パーマー「サム・ピープル」が発売された1976年は、ボズ・スキャッグス「シルク・ディグリーズ」、スティーリー・ダン「幻想の摩天楼」が発売され、後に日本でAORと呼ばれるジャンルの音楽が芽生えた年(ちなみにAORは、「Adult Oriented Rock(大人向けロック)」の略とされていたが、どうも和製英語らしい)。
ロバート・パーマー「サム・ピープル」のジャケット写真は、奇しくもボズ・スキャッグス「シルク・ディグリーズ」と同じ写真家モシャ・ブラカによるもの。参加ミュージシャンに、ボズ・スキャッグス「シルク・ディグリーズ」参加のジェフ・ポーカロ(Ds)、スティーリー・ダン「幻想の摩天楼」参加のチャック・レイニー(B)の名が。
そんなわけで、1曲目「ワン・ラスト・ルック」のメローなバラードを聴くと、時代に呼応したメローなAOR的なアルバムかと思うと、全体的にはむしろ前作よりもロバート・パーマーらしくしっかりとファンキー。この我が道を行くファンキーさが、全作品に貫かれたロバート・パーマーの魅力と再確認。
今回、ボズ・スキャッグス「シルク・ディグリーズ」も久しぶりに聴いてみましたが、ファンキーなロバート・パーマー「サム・ピープル」の方が私は好きです。もっとも、1970年代には、ロバート・パーマーなんて知らず、ボズ・スキャッグスしか知らず夢中で聴いたものですが・・・。
なお、当時ドラッグの多用で健康状態が思わしくなかったからなのか遂にローウェル・ジョージのクレジットがなく、その他のリトル・フィートのメンバーのクレジットはあり、リトル・フィート「アメイジング(FEATS DON'T FAIL ME NOW)」から「スパニッシュ・ムーン」をカヴァーしていますが、全体的にはニューオーリンズ色は薄れてきています。
アルバムの最後を飾るスリリングな自作曲「サム・ピープル(Some People Can Do What They Like)」をタイトルにするなど、徐々に自信を深めてきたロバート・パーマー、次作でのセルフ・プロデュースへとつながって行きます。
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