日本にも届けられたフィン兄弟からの愛情あふれる贈り物。ザ・フィン・ブラザーズ「エヴリワン・イズ・ヒア 」
クラウデッド・ハウスの14年振りの新作「Time on Earth」、ティム・フィン「Imaginary Kingdom」、リアム・フィン(Liam Finn)「I'LL BE LIGHTNING」と2007年の活発な活動ぶりにもかかわらず、日本盤がなかなか出ないニュージーランドのフィン一族。
それを考えるとよく日本盤を発売してくれたものだと本当に感謝したい、ティム・フィンとニール・フィンの兄弟ユニット、ザ・フィン・ブラザーズ「エヴリワン・イズ・ヒア」(2004年)。
これなら、当時の東芝EMIの関係者の心をも動かしたであろう珠玉の名作です。
ザ・バンドの名作「ザ・バンド」を彷彿とさせる茶色のジャケットで、ニュージーランドはオークランド近くのワイカト川の水辺にただずむティム・フィン(52歳)、ニール・フィン(46歳)。
(僕らが愛する人は)みんなここにいるという意味のタイトルの「エヴリワン・イズ・ヒア 」は、ストレンジ・デイズ2004年12月号のザ・フィン・ブラザーズのインタビューによると、自分たちの人生や音楽を彩り、一部となってくれた人たちへ感謝の気持ちを込めて作られた、「二人ともあらゆる可能性を試し、何ひとつ後悔の残らないように全力を尽くそうという気持ちで取り組んだアルバム」だそうです。
そう、一言で言うならば、ビートルズの名曲「イン・マイ・ライフ」的な、郷愁にあふれたアルバムなのです。
プロデューサーは、クラウデッド・ハウスでおなじみのミッチェル・フルームですが、ミキシング・エンジニアはチャド・ブレイクではなくボブ・クリアマウンテンです。
1995年に発売されたザ・フィン・ブラザーズ(ただし、当時は「フィン」というユニット名)の前作「フィン」は、プロデュース自体が当時ロス・ロボスやラテン・プレイ・ボーイズで最先端を走っていたチャド・ブレイクで、サウンド的にはかなりマニアックなことから、当時私のまわりでもちょっとアバンギャルドすぎるとの声もありました。本作は、「イン・マイ・ライフ」的なアルバム・コンセプトを重視したのか、実にナチュラルな仕上がりで、万人にお勧めできます。
1曲目「ウォント・ギヴ・イン」から、日本盤のみ収録の13曲目「サンセット・スイム」まで、胸を締め付けるメロディーと人生の酸いも甘いも噛みわけた壮年男の美しいハーモニーに、酔いしれてしまいます。
そうそう、キャロル・キング「つづれおり」が好きな人にもぜひ聴いて見てもらいたいですね。
なお、本作の和田静香氏の日本盤ライナー・ノーツでも紹介されていますが、Kiakahaさんのスプリット・エンズやクラウデッド・ハウスを中心としたフィン兄弟についてのサイトは本当に素晴らしいです。
現在は、コンテンツがほとんどメンバー・オンリーになってしまっていますが、「KIA KAHA NEWSLETTER」に登録すれば、フィン兄弟についてのグローバルかつタイムリーな素晴らしい情報にアクセス可能になるでしょう。
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