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ロバート・パーマー(Robert Palmer)が紹介してくれた音楽。リー・ドーシー「イエス・ウィー・キャン」

H200328  先日、ロバート・パーマー「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー(Sneakin' Sally Through the Alley)」(1974年)をご紹介しましたが、アラン・トゥーサン作曲のタイトル曲「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー」のオリジナルが収められているのが、リー・ドーシー「イエス・ウィー・キャン」(1970年)。

 ロバート・パーマーは、音楽の趣味が幅広いとともに、誰もが認める相当にマニアックな音楽通。

 ロバート・パーマーアイランド・イヤーズ(ISLAND YEARS 1974-1985)」(2007年)を紹介すると同時に、ロバート・パーマーが紹介してくれた音楽にも触れて行きたいと思います。

 リー・ドーシー ( 1924年12月24日 ~ 1986年12月1日)は、アラン・トゥーサンの作曲及びプロデューサー、ミーターズのバッキングにより、多くのヒットを生み出したニューオーリンズのシンガー。「キッド・チョコレート」というリング・ネームでプロ・ボクサーの経験があったり、音楽で食えないときは自動車修理工をしていたらしい。

 リー・ドーシー「イエス・ウィー・キャン」に収録された曲は、様々なアーティストがカヴァーしており、アラン・トゥーサンやミーターズが目的なのかもしれませんが、リー・ドーシー は意外なミュージシャンズ・ミュージシャンなのです。

 ロバート・パーマーの「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー」の他、ポンター・シスターズでヒットした「イエス・ウィ・キャン」(1973年)、ヴァン・ダイク・パークス「ディカヴァー・アメリカ」(1972年)や久保田麻琴「オン・ザ・ボーダー」(2000年。最高の出来)の「オカペラ」、リトル・フィート「デキシー・チキン」(1973年)やエルビス・コステロ&アラン・トゥーサン「ザ・リヴァー・イン・リヴァース」(2006年)の「オン・ユア・ウェイ・ダウン」など。

 そういえば、リー・ドーシー「イエス・ウィー・キャン」は、昨年10月に紙ジャケ再発されているのですが、「PAUL WELLER&MOD CONNECTION」の一環だそうで、ポール・ウェラーもリー・ドーシーが好きだったようです。

 問題の「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー」ですが、私はロバート・パーマーの、特に「メイビー・イッツ・ライヴ(MAYBE IT'S LIVE)」(1982年)のワイルドなバージョンが好きです。それに比べると、リー・ドーシーの「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー」はとぼけた感じの曲で(ニュー・オーリンズ・ファンの方にはその味が魅力なのでしょうが)、先にロバート・パーマーのカッコいいバージョンを聴いていると拍子ぬけな感じがします。

 逆に、ロバート・パーマーの、あのようにカバーするセンスは称賛に値するしかないのではないでしょうか?

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