意外にオーソドックスな分散投資本。勝間和代「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」(2007年12月)のでのハイパーな仕事術、「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」(2007年10月)での書店に並ぶ他の決算書本と一味違う鋭い決算書分析術を披露した勝間和代公認会計士。
でも、2008年2月9日の週刊ダイヤモンド「勝間和代特集号」によれば、23万部と一番売れているらしいのが、勝間和代「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」(2007年11月)。
「お金は銀行に預けるな 」という刺激的なタイトルですが、中身は意外にオーソドックスな分散投資推奨本です。
勝間和代「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」の大まかな要旨は、日本人は金融知識(リテラシー)が不足している→株式等のリスク資産への投資が少なく預貯金が多い→リスクプレミアムというリスクをとることによる「おまけ」が得られない→機会損失が発生し「毎日お金を失っている」→ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の改善には金融知識(リテラシー)を身に付けインデックス運用を中心とした分散投資(アセットアロケーション)が必要といったところです。
インデックス運用を中心とした分散投資の必要性については、他の分散投資の本とほぼ同様な説明で、私が最も関心を持っている具体的な資産の構成割合については、日本株式1/4、日本債券1/4、海外株式1/4、海外債券1/4を推奨していますが、具体的な理由についてはほとんど触れられていません。
ただし、債券と株式の配分については、「どちらの方が、今後リターンがよくなるかということについては一概にいえません。歴史的に見て、過去20年くらいは株式のリターンが債券のリターンを上回ってきたため、逆に債券の方が株式よりもリターンが高くなることが統計上は考えられます。ただ、分らないときには、ほぼ同額を分散するのが一番リスクの少ない方法になります。」と説明しています。
通常は、先進国においては長期的に見れば株式の方が債券よりもハイリスク・ハイリターンなので、年齢が若く長期で運用できる場合は株式の割合を高く、年齢が高く老後資金への充当の可能性が高い場合は債券の割合を高くという説明がなされますが、将来の予測について保守的なのは公認会計士という職業がそうさせるのかもしれません。
全体的な印象は、各種統計に基づいて誠実に論旨が展開されているものの、ハイパーな勝間和代公認会計士にしては、意外にオーソドックスな分散投資本といったところです。
でも、「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」、公認会計士が書いた資産運用本としてはたぶん最高峰のものだと思いますし、怒涛の出版ラッシュの合間に書かれたことを考えると、やはり勝間和代公認会計士はすごいお人です。
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