80年代思い描いた電子時代のポップミュージックの理想型。マリ・ウィルソン「The Platinum Collection」
当ブログ記事コメント欄で、 「キュートなガールポップで音はかっこいいテクノ(ポップ)というのは、80'sニューウエーブにはまった世代が思い描くポップミュージックの理想型のひとつなんだと思います。その願望をかなりなレベルで具現化したのがperfumeで、おじさんたちからの評価が高いのはそのためかと。」とMYB氏が指摘したPerfume(パフューム)。
80年代、私が思い描いていたポップミュージックの理想型は、何と言ってもニュー・ミュージックのトニー・マンスフィールドがプロデュースしたマリ・ウィルソンの12インチシングル群でした。
昨年10月にイギリスで発売されたコンピレーションアルバム「The Platinum Collection」は、そんなマリ・ウィルソンの12インチシングル群の曲が実にいい音でリマスタリングされて収録されており、これは当時のファンもPerfume(パフューム)のファンも絶対買いの好アルバムです。
マリ・ウィルソンが登場した80年代初頭は、本来はディスコやクラブのDJが利用するためにイントロや間奏が延ばされた12インチシングルが大流行りでした。
当時、山下達郎、高橋幸宏、鈴木慶一といった有名ミュージシャン御用達のレコード店として有名だった青山のパイド・パイパー・ハウスに、入口を入って右手当たりに、トレヴァー・ホーンのZTTレーベルやトニー・マンスフィールドの12インチシングルのコーナーの「餌箱」があって、生意気にも私も新譜が入っていないかよくチェックに行ったものです。パイド・パイパー・ハウスは70年代のシンガー・ソング・ライター系のいわゆるソフト・ロックに強い店として今でも伝説の存在ですが、80年代はポップなニュー・ウェイヴ系のレコードのセレクトでも一目置かれていました。
今でも印象深いのは、トニー・マンスフィールドがプロデュースしたマリ・ウィルソンのコンパクト・オーガニゼーションからリリースされる12インチシングル群でした。特に、「The Platinum Collection」にも当然収録されている、「Just What I Always Wanted」、「Beware Boyfriend」は、当時思い描けた電子時代のポップミュージックの理想型ともいうべき作品で大変な衝撃をうけました。アタックの効いたシンセサイザーや、パーカッシヴなノイズの音色が実に気持ち良く、新しい時代の到来を感じさせてくれました。
「Beware Boyfriend」は、日本で活躍したフィリピン出身のジャズ歌手マリーンが、「ボーイ・フレンド」という邦題でカバーしそこそこヒットした記憶があり、それを耳にした方も多いのではないかと思われます。
この「The Platinum Collection」ですが、1983年のファースト・アルバム 「ショウ・ピープル」の曲が全曲入っているものの曲順が異なるのでいかがかという意見もあるようですが、私にとってみれば「ショウ・ピープル」もシングルの寄せ集めのようなアルバムでしたので、こちらの曲順でも一向にかまわず、とにかく見事なリマスタリングが嬉しい限りです。
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