大村憲司を知ってるかい。大村憲司「春がいっぱい」
1980年、ニュー・ミュージック「フロム・A・トゥー・B」に最も反応した日本人ミュージシャンが大村憲司です。
1998年に49歳の若さで亡くなった大村憲司については、傑作アルバム「春がいっぱい」の前後のエピソードについて、プロデューサーである高橋幸宏がほぼ日刊イトイ新聞「続・大村憲司を知ってるかい」で実に愛情たっぷりと語っています。
Amazonで見ると入手困難なのか相当なプレミアがついているこの「春がいっぱい」、ぜひ再発を期待いたします。
高橋幸宏によると、前作の日本人離れした完成度のフュージョン・ミュージックの名盤「Kenji Shock」をプロデュースしたハービー・メイソンが聞いて、俺がせっかくいいアルバム作ってやったのにこんなにしやがってって言ったらしいというぐらい、衝撃のイメージチェンジだった「春がいっぱい」。
奥村靱正のアート・ディレクション、もみあげのないヘアスタイル、おそらくスペシャルズに影響されたであろうルード・ボーイ風スーツのファッションも当時斬新で、確か漫画家江口寿も「ストップ!!ひばりくん!」で「春がいっぱい」の大村憲司似のキャラクターを登場させたりして、他ジャンルも含めたクリエイターに大きな影響を与えました。
音楽的には、トニー・マンスフィールド率いるニュー・ミュージック「フロム・A・トゥー・B」の与えた衝撃が色濃く反映されていますが、シャドウズのカバーである「春がいっぱい」や大村憲司のオリジナル「The Prince Of Shaba」などのニュー・ミュージックと一味違うほんわかしたギター・インストも出色の出来です。特に「春がいっぱい」は長い間、ラジオやテレビのBGMに本当によく使われていましたので、皆様も絶対に耳にしたことがあるはずです。
大村憲司の優れた作曲能力も忘れてはなりません。「Intensive Love Course」、「Under Heavy Hands And Hammers」、「The Prince Of Shaba」など6曲が大村憲司自身の作曲ですが、意外なポップセンスに驚かされます。
サディスティックス、ヨーロッパ3部作の加藤和彦、YMOといった高橋幸宏周辺が当時本当におしゃれでカッコよく、私もあこがれた関係もあり、高橋幸宏の日刊イトイ新聞「続・大村憲司を知ってるかい」に掲載されている写真がまた懐かしものばかりで感慨深いものがあります。今見ても、大村憲司は持ち前の端正な顔立ちもあり一番カッコよくみえます。
そういえば、当時一緒にバンドをやっていたギターのT氏が「春がいっぱい」の大ファンであり、私も高橋幸宏作曲の「Maps」をコピーして演奏した記憶も蘇ってきました。
次作「外人天国」(1983年)ではかなり音楽性が変わってしまい残念に思った記憶があり、まさに時代が生んだ1枚なのかもしれない「春がいっぱい」、私も紙ジャケは買い損ねてしまったのでぜひ紙ジャケリマスターで再発をお願いいたします。
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