ポリリズムの快感。Perfume(パフューム)「ポリリズム」
ポリリズムとは、拍子の異なるリズムが同時に演奏されている状態をいい、アフリカやインドネシアのガムランなど非西洋的な民俗音楽に多くみられ、独特な躍動感が聴き手に何とも言葉で表せない快感を与えてくれます。
Perfume(パフューム)「ポリリズム」の魅力は何と言っても、CMで使われなかった間奏、「ポリリズムポリリズムポリリズム・・・」と繰り返し歌いながら、リズムトラックがポリリズムになって行く部分です。中田ヤスタカの発案かと思いますが、昔、森高千里の曲で、森高千里がコード進行を歌う曲があり、それと同じくらい聴き手をニヤっとさせてくれるアイディアです。
ポリリズムについては、90年代のワールド・ミュージックブームの際に、ポリリズムにポピュラー音楽の未来があると思いましたが、いつの間にか影が薄くなってしまっていました。ポリリズムには何とも言葉で表せない快感があり、やはりこれからのポピュラー音楽の可能性はポリリズムにあるのではないかという気が今またいたします。
NHK・公共広告機構の CM は、CM ディレクターがPerfume(パフューム) の曲を木村カエラのラジオ番組で聴いたため起用したらしいですが、なぜポリリズムの部分を使わなかったのかという気がいたします。まあ、オリコン週間チャートで7位を記録し、ブレークしたので結果オーライですが。
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コメント
perfumeって、直系の先祖がいそうでいないですよね。
キュートなガールポップで音はかっこいいテクノ(ポップ)というのは、80'sニューウエーブにはまった世代が思い描くポップミュージックの理想型のひとつなんだと思います。その願望をかなりなレベルで具現化したのがperfumeで、おじさんたちからの評価が高いのはそのためかと。
音は洗練されていて貧乏くさくなく、ルックスはアイドル並みだが芸能臭が強すぎることなく、パフォーマンスはハイレベル、と。これらの要素をまんべんなく満たす存在というのが、四半世紀を経てようやく現れたということでしょうか。
投稿: MYB | 2008年2月 4日 (月) 03時59分
MYBさん、あまりにも的確なコメントありがとうございます。
「perfumeって、直系の先祖がいそうでいないですよね」とのご指摘、まさにそのとおりでそこが中田ヤスタカの意外に凄いところと思います。
「キュートなガールポップで音はかっこいいテクノ(ポップ)というのは、80'sニューウエーブにはまった世代が思い描くポップミュージックの理想型のひとつなんだと思います。その願望をかなりなレベルで具現化したのがperfumeで、おじさんたちからの評価が高いのはそのためかと。」とのご指摘、図星かもしれません。私の場合は、願望というより提供されたら理想型だったという感じです。
投稿: Accounting&music | 2008年2月 6日 (水) 00時00分