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意外と知らない個人の確定申告豆知識No.4。履行請求を受けていた保証債務の免除を受けた倒産会社のオーナー社長個人は確定申告が必要か?

 民事再生手続、破産手続他により支払不能となったいわゆる倒産会社のオーナー社長個人が、保証債務の履行請求を受けた後、サービサー等との和解により一部または全部の保証債務の債務免除を受ける場合があります。

 保証債務の履行請求を受けた後で一部または全部の保証債務の債務免除を受けた場合は、その他の所得で確定申告が必要でない場合でも所得税の確定申告が必要になるのでしょうか?

■保証債務の履行請求を受けた後で一部または全部の債務免除を受けた場合のオーナー社長個人の確定申告

 「債務の免除を受けるということは経済的利益を得たということだから確定申告が必要だ」とお答えになった方はお詳しい方です。

 しかし、意外と知られていないようですが、税務上は、保証債務については履行請求を受けても確定した債務として扱わない考え方もあり、そう考えるならば所得税の確定申告が必要ないので検討してみることとします。

■保証債務の履行請求を受けた後で一部または全部の債務免除を受けた場合のオーナー社長個人に所得が生じたといえるか?

 この点については、明文の規定等は残念ながらありません。

 しかしながら、参考になる規定等として法人税基本通達9-6-2は、回収不能の金銭債権の貸倒れについて、「(注)保証債務は、現実にこれを履行した後でなければ貸倒れの対象にすることはできないことに留意する。」としており、保証債務は履行するまではあくまでも偶発債務にすぎないという考え方に基づき、主債務者への求償権は実際に保証債務を履行した後でなければ貸倒損失の対象とできないとしています。

 この保証債務は履行するまではあくまでも偶発債務にすぎないという考え方に基づくならば、保証債務の履行請求を受けた後で一部または全部の債務免除を受けた場合のオーナー社長個人は、税務上偶発債務が確定債務とならなかった、すなわち確定債務を結局は負わずに済んだと考えることができます。そうすると、オーナー社長個人に所得は発生しないということになり、その他の所得で確定申告が必要でない場合は所得税の確定申告が必要ありません。

■角度を変えて考えてみると

 オーナー社長個人が自ら主債務者として負担した債務であれば債務成立時に借り入れた現金等の給付を受けており、その債務の免除を受ければ同額の経済的利益を得ることになり、原則として所得が発生するというのは問題ないでしょう。

 ところが、保証債務として負担した債務は債務成立時に通常は給付を受けていないことが多く(受けていても保証料ぐらい)、その債務の免除を受ければ同額の経済的利益を得たと考えることには常識的に見ても無理があると思われます。

■慎重なご判断を 

 上記については、私の知る限りでは、高田正昭公認会計士・税理士、佐々木伸悟公認会計士・税理士、萩原壽治公認会計士・税理士共著「徹底詳解 企業再生の税務-理論とQ&A」税務研究会P409~413ぐらいしか書籍でも触れられていません(かといって、異論も見かけませんが)。

 したがいまして、実務上の個別具体的な事実認定と解釈につきましては、慎重にご判断いただきたくお願いいたします。

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