S-KENのTribute to Haruomi Hosono。エスケン&ホット・ボンボンズ「セブン・エネミーズ」
そのすばらしさを改めて実感し、遂に全作ご紹介してしまうエスケン&ホット・ボンボンズ4部作ですが、最後は集大成ともいうべき「セブン・エネミーズ」(1990年)。
高校時代に夢中になった細野晴臣の大傑作「はらいそ」(1978年)からのカバー「四面道歌」がたまりません。
「細野晴臣インタビュー THE ENDLESS TALKING」平凡社ライブラリーで、細野晴臣はS-KENについて次のように語っています。
『ライト・ミュージック』の事務所に行くと、田中唯士という人がいた。文学者みたいな顔をしてて、僕にいろんな本をすすめる変てこりんな男でね。彼からいろんな本を教わって読んでたんです。(途中省略)その田中唯士氏からチャイニーズ・エレガンスうんぬんと指摘されたんです。指摘なのか何かわからないですけど。核心をつかれたんです。
そのチャイニーズ・エレガンスという言葉と、さらに当時夕焼楽団の久保田麻琴のトロピカルをやるべきだというアドバイスが一緒になって、細野晴臣のトロピカル・ダンディのコンセプトが生まれました。
その話は1975年ぐらいの話ですが、「セブン・エネミーズ」ではうれしいことにS-KENがそんな浅からぬ縁を持つ細野晴臣の大傑作「はらいそ」(1978年)からのカバー「四面道歌」をとりあげてくれています。
四面道とは、荻窪の青梅街道と環状8号線が交差する交差点です。「細野晴臣インタビュー THE ENDLESS TALKING」によると、本当に荻窪の四面道から「天国を見てた歌」とのことです。私は、中学校が西荻窪で、高校時代は中学の仲間と四面道近くの新星堂本店のスタジオでバンド練習をしていたので、「四面道歌」にはご当地ソングのような思い入れあります。
「セブン・エネミーズ」自体は、エスケン&ホット・ボンボンズ4部作の中でも最も完成度の高い作品ではないでしょうか?MYB氏のコメントにもあったとおり、ギターがサブリーダー的な窪田晴男から今堀恒彦に交代しましたが、逆に窪田晴男にはなかったスライド・ギターや当時流行ったリンガラっぽいアフリカン・ギターの要素が加わり、窪田晴男離脱の影響を感じさせないくらいに今堀恒彦もフィットしていると思います。
ところで、坂本龍一に聞いてみたいところですが、第2集も出た「Tribute to Haruomi Hosono」、なぜS-KENにオファーを出さなかったのでしょうか?できれば、エスケン&ホット・ボンボンズでもう一曲細野ナンバーを聞いてみたかったところです。
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コメント
S-kenと細野晴臣の関係というのは、直接の共演がないだけに、意外と知られていないような気がします。
YMO以前のキャリアにからんでもここのところ話題の多い細野ですが、それらのトピックにS-kenが登場することはほとんどないんじゃないでしょうか。 世に細野フリークは多いですが、細野サイドばかりチェックしていてもS-kenの存在はなかなか見えにくい。
坂本龍一はS-kenにあまり興味ないように思えますがどうでしょう。
窪田晴男が企画物CD「東京的」で組ませたS-kenと三宅純を評して「ともに東京をテーマにしているがその視線は交わることがない」といってましたが、「東京」に「グローバルなスタイル」などを代入してみると、S-kenと坂本の違いに例えられるといいましょうか。
投稿: MYB | 2008年1月28日 (月) 00時39分
MYBさん、コメントありがとうございます。
坂本龍一は和物的なものは苦手なのかもしれませんね。
昔、坂本龍一と吉本隆明との対談で、吉本隆明がユーミンはハーモニーが良いと持ちかけたら、全く乗ってこなかったことが印象に残っています。
投稿: AccountingMusic | 2008年1月28日 (月) 23時43分