イカしたパンキー・ラテン・ミュージック。ジョー・バターン「サブウェイ・ジョー」
エスケン「ジャングル・ダ」でカバーしていたジョー・バターンの「サブウェイ・ジョー」。ファニア・レコード再発の一環として、昨年6月に同曲を含んだ同名のアルバム「サブウェイ・ジョー」(1969年)が再発されています。
1990年代のDJブームの際に、ブーガルーの代表曲として再評価されていたもの、恥ずかしながら今回初めて聴いたこのアルバム、最高にイカしています。よくありがちなパターン、「サブウェイ・ジョー」1曲だけ、なんてこともありませんし、1969年の音源のリマスタリングとしては音も良いと思います。
ウィキペディアによれば、ブーガルー(Boogaloo, Bugalu)とは、1965年から1970年ごろにかけて主にニューヨークで流行したラテン音楽の一種で、リズム・アンド・ブルース、ソウル、ロックンロールなどの米国のポップミュージックとキューバ~カリブ系のラテン音楽が混合されたサウンドを特徴とします。
岡本郁生氏のライナー・ノーツによると、ジョー・バターンは、1942年にフィリピン人の父親とアフロ・アメリカンの母親のもと、ニューヨークのスパニッシュハーレムで生まれたアフロフィリピーノで、プエルトリカンのストリートギャング団に加入し刑務所に出たり入ったりしていた本物の不良のようです。バターンという苗字は、「バターン死の行進」で有名なフィリピンのバターン半島と関係があるのかもしれません。
ハンド・クラップのイントロがユニークな1曲目「サブウェイ・ジョー」から全編にわたり、ジャケットに象徴されるストリート感覚のパンキーな疾走感にあふれており、エスケンのパンンキー・ルーツ・ミュージックともいうべきスタイルに与えた影響はかなり大きいのではないかと思われます。
ちなみに、エスケンのバージョンの河村要助氏の愛情あふれる日本語詞は、オリジナルのスパニッシュハーレムのスカした兄ちゃんの日常の雰囲気を上手に再現していてグッド・ジョブだと思います。
ジョー・バターン、面白そうな人なのでもう少し追いかけてみようかと思います。
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