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すっきりらくらく安心な資産運用について考える。「個人向け国債 変動10年」等による国内債券型インフレヘッジ運用。

  このところの世界同時株安には、日本株だけでなく国際分散投資をされている方でも、肝を冷やしている方は多いのではないでしょうか?

 資産運用に確実な方法は無いのは周知の事実ですが、ますます複雑多岐になって行く運用手段を前に、何とかすっきりらくらく安心な資産運用はないものか考えてみたいと思います。

 まずは、誰でも簡単に始められる「個人向け国債 変動10年」等による国内債券型インフレヘッジ運用です。

 データに基づいた独自の着眼点が大変参考になる経済評論家の角川総一氏ですが、2006年7月18日の日本経済新聞の夕刊に「プロに聞く目からウロコの投資塾 金利上昇時代の新常識①変動利付国債」という、大変興味深い記事を寄せていました。角川惣一氏の「時代即応版 金利が上がるとどうなるか」明日香出版社にも同様な内容の記述がありますが、同記事がコンパクトでわかりやすいため、下記のとおり引用させていただきます。

「 個人向け変動利付国債は2003年3月に第1回債が発行されて以来、今年3月末までに残高が16兆3,000億円強となりました。今年度以降の発行額を加えれば20兆円前後、途中で換金された分を考慮しても15兆円はあるでしょう。現在の家計金融資産1,500兆円の1%を占めます。

 この変動利付国債の最大のメリットは、金利が上がればその高い金利を基準に決められる表面利率(クーポン)で利子が払われることです。金利が高くなっても当初の低い利率による利子しか払われないという不便さから免れられるわけです。

 しかし、より大切な経済的機能をこの国債は果たしています。それはこの商品がインフレに対し強い抵抗力(ヘッジ能力)を持つという点なのです。そのことを検証してみましょう。

 変動利付国債は「発行後6カ月ごとにクーポンが変更される」「新発10年物国債(固定金利)の発行利回りを基準とし、その金利から0.8%を控除した水準が新しいクーポンとなる」「最低0.05%を保証する」――などが主なスペックです。

 この国債が仮に25年前に日本に登場していたら、その時々のインフレ率をどの程度上回っていたのでしょうか。便宜上クーポンは毎月変更されるものと見なし、過去のデータを基に図を作ってみました(引用者注・図は省略させていただきますが、「時代即応版 金利が上がるとどうなるか」P30に同様な図が掲載されています)。

 変動利付国債の想定クーポンとインフレ率の推移を比べると一目瞭然(りょうぜん)。ほとんどの時期で変動利付国債のクーポンはインフレ率を上回っています。中長期にわたって保有してもインフレ率以上の利子が得られる可能性が高いことが分かります。

 これは「インフレ時に金利は上がる」からです。インフレ率上昇→消費意欲の前倒し→資金需要の高まり→金利上昇というように、インフレ率と金利には高い相関関係があります。従って図のように1年定期預金もある程度インフレヘッジ機能を持っているのです。」

 通常の利付国債は、長期間保有すると、固定金利で金利上昇時により高い利息を得る収益機会を逸失するリスクが高く、売買時に売却損が生じる場合もあり価格変動による元本割れのリスクを負います。

 大量発行が続く国債の安定消化のために2003年から発行が始まった「個人向け国債 変動10年」は、変動金利で金利上昇時の収益機会逸失リスクが低く、発行から1年経過すれば原則としていつでも日本国政府が中途換金に応じるため価格変動による元本割れのリスクがなく(直前の一定の利子が差し引かれるペナルティーはありますが)、その上に変動金利なのに長期金利を基準に利率が決定され現状では利率的にも有利な、大変優遇された商品です。角川総一氏も、「時代即応版 金利が上がるとどうなるか」で、「これだけ高い利用価値を持つ商品性は、『現在日本で最大の資金不足機関』であるからこそ、採用できたと思う」と指摘しています。

 インフレに強い資産運用は株式や不動産であるとよく指摘されますが、角川総一氏の指摘が「目からウロコ」なのは、「個人向け国債 変動10年」や、1年定期預金で運用しているだけでもインフレ率を上回る運用が可能だという指摘です。

 インフレになると、資産運用をしないで現金を持っていると名目貨幣額でしか資産の維持ができず、購買力を表わす実質的な資産維持ができない、すなわち物やサービスを購入する力としての資産価値が維持できなくなります。そこで、購買力を維持する資産運用が必要となります。

 その場合に、角川総一氏の指摘に基づけば、下記のような国内債券型インフレヘッジ運用が可能となるのではないでしょうか?。

・個人

 →個人向け国債による運用

・個人向け国債が購入できない会社や公益法人やマンションの管理組合

 →1年物の定期預金(利回り追求なら残存期間1年の既発の利付国債)による運用

 私は、ファイナンシャル・プランナーとして、現在のわが国のような低金利状態での購買力の維持を目標とする資産運用のアドバイスを求められたら、上記の国内債券型インフレヘッジ運用をまずはおすすめいたします。この運用方法ならすっきりらくらく安心と思いませんか?

 仕事がらいろいろな方や会社等の資産の運用方法を拝見する機会があります。しかし、個人の場合は意外と「個人向け国債 変動10年」についてはご存知のない方や、ご存知でもおっくうになり定期預金でしか運用していない方が多いようですし、会社や公益法人やマンションの管理組合等の場合でも、近年の低金利とペイオフ一部解禁からか定期預金にもされていないケースも多くみられますので、上記の考え方と運用方法をぜひ検討してみるのはいかがでしょうか?

 

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