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ディランを語ることによって己を語る。浦沢直樹×和久井光司「ディランを語ろう」

H200116_2 本名ロバート・アレン・ジンママン、1960年代に時代の波に乗りフォークの神様的カリスマになるも、ブーイングを浴びつつロックに転向、バイク事故を契機に死亡説も流れるウッドストックでの引きこもり、きれいな声でのカントリー・アルバムの作成、1970年代には当時史上最大の全米ツアーでライヴ復活、突然のキリスト教への改宗とゴスペル・ツアー、わざと作っているらしい変な声等。

 面白すぎるボブ・ディランの生き様を、1960年生まれの漫画家浦沢直樹と1958年生まれのミュージシャン和久井光司が自分史とともに対談形式でわかりやすく語ります。

 浦沢直樹と和久井光司は、1961年生まれの私より学年にすると2~3年上になりますが、2年の違いが大きいせいなのか実は私はボブ・ディランはリアル・タイムではあまり印象に残っていません。私が洋樂に興味を持ち始めたのは1974年頃からですが、アメリカ南部ロック、カントリー系はなんだか古臭く感じて苦手で、もっと都会的な音楽、ヒプノシスのジャケットで象徴されるSF的なプログレッシブ・ロックや、80年代ニューウェイブの前身ともいうべき感覚のポップ・ロック、ジャズ・フュージョン、シティ・ポップスといったものの方に関心を持っていました。

 最近は、細野晴臣の言う「おっちゃんのリズム」ならぬ「おっちゃんの音楽」ともいうべきカントリー等のルーツ系の音楽の方に関心がありますので、私の失われていた「70年代」を再発見させてもらえるこの対談本はとても面白く読めました。直枝政広の「宇宙の柳、たましいの下着」でも感じましたが、どうも1971年の「バングラデシュ・コンサート」の洗礼を浴びたかどうかも大きなポイントなのかもしれません。

 漫画を読むのをずいぶん前に放棄してしまった私は、浦沢直樹の作品は全く読んだことがないのですが、本作に挿入されている「BOB DYLANの大冒険」という漫画は軽妙かつ鋭い観察眼でボブ・ディランの生き様を簡潔にとらえており見事と思います。手塚治虫の鉄腕アトムのリメイクらしい「PLUTO」もそのうち読んでみたいと思います。

 和久井光司の音楽評論は、ミュージシャン的観点とともに、「アイルランドからアメリカに渡った移民が持ち込んだケルト的な文化と、アフリカン・アメリカンの文化が、共有~融合されてできたのが20世紀のポピュラー音楽である」(和久井光司「ビートルズ二十世紀文化としてのロック」講談社より)というような大きな世界観的観点が特徴かと思います。90年代のDJ文化以降、気持ち良ければ理屈は関係ないという傾向が続き現在に至っているように思えますが、「ミュージック・マガジン」前身の「ニュー・ミュージック・マガジン」的というか中村とうよう的というべき骨太の評論スタイルは逆に新鮮さを感じます。

 私のようにボブ・ディランに苦手意識を持っている方は、ボックス・セット「DYLAN」とこの対談集で、ボブ・ディランの面白すぎる生き様にぜひ触れていただきたいと思います。

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