今はパナマ共和国の観光大臣。ルベーン・ブラデス「BUSCANDO AMERICA」
エスケン&ホット・ボンボンズが「パープービー」で、「忘れじのエトランゼ(CAMINOSU VERDES)」をカバーしていたルベーン・ブラデス(ルベン・ブラデス)「BUSCANDO AMERICA」(1984年)。
洗練されたグッド・ポップ・ミュージックとして、サルサの枠にとらわれない名盤ですが、現在ではAmazon等で検索してもどうも入手が困難なようです。何でかと思ったら、ルベーン・ブラデスは、今はパナマ共和国の観光大臣になっていたんですね。
たぶん、ミュージック・マガジンで知りジャケット買いしたのだと思いますが、80年代中旬に「BUSCANDO AMERICA」と「AGUA DE LUNA」を購入し、その緊張感を持ったアルバムとしての完成度と洗練された音楽性に驚き、愛聴していました。その時は、ルベーン・ブラデスがどんな人物かについてはよく知りませんでしたが、ウィキペディアによると、そもそも政治家志望のかなりユニークな人物なようです。
1948年パナマ生まれで、 政治家を目指しパナマ国立大学で政治学と法律の学位を取得後、パナマ銀行で弁護士の職を得ていたが、アメリカに移住。ニューヨークのファニア・レコードで郵便仕分け業務に就きながら書いていた曲が認められ、音楽業界入り。
しかし、政治家志望の初志は忘れず、1985年にハーバード大学で法律の修士課程を卒業し、1990年代には故郷のパナマで政党ハバエゴロ党を結成。 1994年に立候補したパナマ共和国大統領選では、落選しながらも20%の得票率を得る。2000年には人種問題に関する国連親善大使を歴任。2004年9月には、パナマ現大統領のマルティン・トリホスの要請を受け観光庁大臣に就任(音楽評論家藤田正氏のサイト「Beats21」にルベーン・ブラデスの最近の写真が掲載されています)。
また、「BUSCANDO AMERICA」については、北海道小樽市都通り商店街のベネトンの店主・鈴木創氏が主宰する音楽以外のジャンルも含めた文化史サイト「ロック世代のポピュラー音楽史」に大変詳しい解説があります。
鈴木創氏によると、「BUSCANDO AMERICA」は、スペイン語で「アメリカを探して」という意味で、「移民たちの生き方に対する問いかけという深い内容をもつ作品」でホーン・セクションがないサルサという「音楽的にも『サルサ』という枠組みの常識に挑戦した新しい作品」とのことです。
当時は、あまり意味がよくわからないまま聞いていたのですが、その高い志が音にも表れていたのでしょうか、その緊張感を持ったアルバムとしての完成度は確かに「ロック」を感じさせてくれました。
このような歴史的名盤が、リマスタリング紙ジャケ再発の嵐の音楽アーカイブ時代に、埋もれたままになっているのは何とも残念です。昨年から、ファニア・レコードの再発も進んでいるようですし、ルベーン・ブラデスのエレクトラ・レーベル時代の再発も実現してもらいたいものです。
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